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2013年12月30日月曜日

次に何をすべきか考え中です

気づけば2週間更新していませんでした。

その理由として一番大きいのは、家族が増えたためバタバタしていたというのがあるのですが、モキチさんの日常の生活が落ち着いてきたり、うちらが慣れてしまったというの理由もあるかと思います。

もう少しすると、幼稚園に通ったりしなくては行けないわけで、そうすれば色々と課題が出てきてネタには困らないと思うのですけどね、、、

今年を振り返りつつ、次にすべきことについてじっくり考えてみたいと思います。
まぁ、オムツもまだ取れていないですし、やることは沢山ありますね。

2013年12月14日土曜日

「たいそう!」

朝からモキチさん、中腰で膝に手をあて、腰をクネクネさせているではありませんか?
う○こでも出そうなのかと思って、
「ウンチでるの?」
と聞いたら、
「たいそう!」
だそうです。

おそらくデイサービスでやっているのだと思いますが、
「おうたしまーす」
とか
「たいそうしまーす」
とか、宣言してから、歌い出したりすることがあります。

言葉のバリエーションはだいぶ増えてきたかなと思います。

2013年12月12日木曜日

シンプルな指示を出すこと

シンプルな指示を出すことは非常に重要です。

例えば、食事中に、ウロウロ歩き回っているケースを考えてみましょう。

「ほら、また食事中にウロウロ動きまわって!またパンこぼして掃除しなくちゃいけないじゃない、だめだよ!」

と言う注意は、長過ぎますし、やっちゃいけないという注意なので、子供が実際どうしていいのか分からないという問題があります。「~はダメ」という言い方ではなくて、「~して」、という注意の仕方が良いでしょう。

シンプルに、
「椅子に座って食べてください」
と言えばOKです。座る場所が明確であれば、
「すわって!」
だけでも良いかもしれません。

シンプルに指示を出してあげて、できたら褒めてあげるというのが基本ですね。
まぁ、犬に指示を出しているみたいで嫌だという人もいるかもしれませんが、、、、実際、共通して使えるテクニックがあるのは確かだと思います。


2013年12月10日火曜日

「とよた、にっさん、ふぉるくすわーげん」

モキチさん、

自動車のロゴが好きみたいです。
車を見ては、

「とよた!」
「にっさん!」
「ふぉるくすわーげん!」

と、叫んでいます。
一度教えると、けっこう覚えていますし、
見た時の判断のスピードも悪く無いです。

記憶力と図形の認識能力はかなり高いんじゃないかなと思います。
といっても、普通のレベルという意味で、サヴァン症候群みたいな天才的な感じではないですが、、、

自閉症の子供たちは、テストに対するモチベーションが無いので、知能テストをすると実際よりもかなり低い値が出てしまう傾向があります。そのため、その低い値を想定したプログラムしか提供されず悪循環に陥るケースもあるようです。

うちの子も、2月の検査の時点では、知的障害のボーダーの下の値が出ていますが、実際の能力としてはそれよりもう少し上なんじゃないかなぁという感触はあります。幸い、身体面での発達も問題なさそうなので、やはりコミュニケーションの部分が課題かなぁと思います。

2013年12月8日日曜日

ドレミの歌

モキチさん、朝から良い感じに歌っています。

ドは総武線のド~♪
レは総武線のレ~♪
ミは総武線のミ~♪

ってなんだよw
しかも、ファはファイトのファの音で歌っております。

2013年12月5日木曜日

注射は鬼門、、、

モキチさんは痛みに強いです。
以前は、ガンガン転んで血を流しても泣くことはありませんでした。
最近は、頭をぶつけたりすると、「ぶつけちゃったー」と泣いたりするのですが、痛みを感じるようになったというよりは、アピールすることを覚えたのかもしれません。

そんな痛みに強いモキチさんも注射は苦手です。
痛みそのものよりも、病院の雰囲気が嫌なようです。

前に注射に行った時は、看護婦さんを見た途端に叫びだし、順番が来るまでの間ぐずぐずで大変でした。注射の際も絶叫していたので、診察室から出てくると、待合室の皆さんが苦笑してました。

そこで、帰りに病院の隣のケーキ屋さんでケーキを買ってあげ、今度また注射してケーキもらおうね!と言っておいたところ、その次の回はかなりスムーズにいきました。一度パターンが出来てしまうと、定型の子供より楽になる場合もあるでしょう。

注射のような本人が嫌なことをしなくてはならない場合には、本人に隠しておいて、無理やり済ませるという方法もありますが、むしろ、日頃から積極的に注射の話をしておいたほうが上手くいくでしょう。お医者さんごっこなどをするのも良いかもしれません。暴露(Exposure)という手法ですね。暴露についてはまた記事にしてみたいと思います。

2013年12月2日月曜日

「おとうーさん、はいっ」

モキチさんの最近のお気に入りに、アーイヤイヤー・ダンスというのがあります。
振るとシャカシャカ音のする赤い卵があるのですが、それを振りながら、「アーイヤイヤー」と言いながら踊ります。超楽しそうに笑顔で踊ります。よだれを垂らしながら、、、

一人で踊っていても、ただの変人なので、インタラクションを導入してみました。
具体的には、卵を「おとーさんに貸して!」と言って、取り上げ、自分も卵を振りながら踊ります、
ある程度踊ったら、「はい、つぎモキチさん!」と卵を渡して、また一緒に踊ります。
以下繰り返しです。

これで、順番の概念や、誰かにものをかしてあげること、一緒に楽しみを共有すること、などを学んでくれることを期待しながら、一緒に踊っていますw

すぐに、モキチさんのほうから、「おとーさん、はいっ」と赤卵を渡してくれるようになりました。一緒に遊ぶためにおもちゃを渡すという行動はおそらく初めてなのではないかと思います。効果はあったんでしょうかね、、、

2013年11月30日土曜日

発達外来を受診してみて その7 「まとめ」

さて、数回に渡って発達外来を受診した際に受けたアドバイスをもとに記事を書いてみました。

発達外来に行ったからといって、子供が劇的に良くなる処方箋をいただけるわけではないのですが、困っている点について的確なアドバイスをもらえましたし、子供がどんな感じで成長しそうかという目安は教えてもらったかなという気はします。

また、その他、幼稚園の選び方などについてもアドバイスをいただけましたし、非常にためになる1時間でした。

受診後にモキチさんが劇的に変化したということはもちろん無いわけですが、親のストレスはかなり低減されたかなという気はしています。ポイントは、子供に振り回されること無く、一貫性を保ちつつ、柔軟に対応するということでしょうか。まぁ、難しい話なんですが、専門家でも難しいから仕方ないとのことです。気楽に望みましょう。

次回の受診は数カ月後になるわけですが、その時までに、聞きたいことを沢山ストックして臨みたいと思います。

2013年11月28日木曜日

「おとーさん、みて」

最近、一番成長を感じたのは、これです。

モキチさん、しまじろうの本でよく遊んでいます。
そして、ネコが草むらに隠れている絵があったのですが、それを指差して、

「おとーさん、ねこみて」

とか言うではありませんか。
モキチさんは基本的には見たものを口にすることと要求がほとんどなのですが、こういった誘いかけみたいな言葉は初めてだったので、おー、すげーと思ってしまいました。
言語行動としては、マンドに入るとは思うのですが、ものを要求するのと、意味合いはだいぶ違いますよね。

一方的な言葉ではなくて、相互交流を促すような言葉をたくさん身につけておくと、今後の幼稚園や小学校で集団生活をする上でプラスになるかなと思います。

2013年11月26日火曜日

発達外来を受診してみて その6 「夜中のパニックへの対処法」

モキチさんは夜中に時々パニックを起こして狂ったように暴れたり、色んな物を要求してきたりします。

本来、子供が何かを要求してパニックを起こした際には、好子を与えてはいけない分けですから、落ち着くのを待って、好子を与えてあげたり、褒めてあげるのが正しい対応方法です。実際、そう接してきました。

ですが、夜中にわけわからなくなっているケースでは、さっさと何かを与えて落ち着かせたほうが良いケースがあるとのことです。子供は覚えていないので、パニックが悪化する可能性は低いとのことです。

ABA的には、本来、お腹が空いた等の弁別刺激があって、それに対して行動があり、結果として好子を得た場合には行動が強化されます。ですが、このようなケースでは、子供もわけがわからないので強化の仕組みが働かないということなのでしょう。
むしろ落ち着いてから褒めてあげるという部分だけが効くという可能性もありますね。

パニックを誘発しないように注意は必要ですが、「パニックは無視する」といった対処法だけを覚えるのではなく、その根底にある理論を知っておけばこういった対応も可能になりますね。勉強になりました。

2013年11月24日日曜日

こだわりの減少

モキチさん、いろんなことに対するこだわりはあるのですが、最近では多少薄れてきて柔軟性が出てきたかなという気はします。

例えば、好きなパンが無い時とか、好きなタオルが洗濯中だった時とか、水筒を実家に忘れてきた時とか、そのたびごとに切れて泣き叫んで暴れていました。

ですが最近では、
「パン無いから明日買ってくるね」
とか
「緑のタオルは洗濯中だよ」
とか
「水筒おじいちゃんちに置いてきちゃったから」
言えば、多少ブツブツ文句を言ったり、ぐずる時もありますが、なんだかんだで納得してくれるようになりました。こんなところにも成長を感じます。

ちなみに、単に事実を述べるよりは、代替案や行動を提示したほうが納得してくれる確率は高くなりますね。あとは、やはり肯定的な表現を使うようには心がけています。
「パン無いよ!」と言うよりは、「ごめん、今日パン無いけど、明日一緒に買いに行こうね」と言うと良い感じです。

パニックをおこすと面倒なので、常にパンを切らさないようにとか、こちらも神経を使っていたのですが、時にはちょっとレールから外れてみて、子供の成長を確認してみるのも重要だなと思いました。そして行けそうだったら少しづつ行動の幅を広げていけると良いかなと。

まぁ、こんな風に思えるようになったというのは、生活のパターンが確立されて、こちらに余裕が出てきたということかもしれません。

2013年11月22日金曜日

発達外来を受診してみて その5 「ギャラリー向けのパフォーマンス」

さて、今回は「ギャラリー向けのパフォーマンスについて」です。

モキチさんが外で外で大声を叫ぶのでちょっと困っているという話をした際にうけたアドバイスなのですが、
「ある程度諦めるしか無い。そのうち終わる。そしてまた出るかも。」
というありがたいお言葉を頂きました。

変に注意しても、面白がって声を出すだけなので、消去しろということだと受け取りましたが、その一方で、「ギャラリー向けに注意することはあり」とのことでした。

子供が騒いだり、奇声を発していることに対して、多くの人は不快に感じるわけですが、その人たちが必要以上にイライラしないように、ポーズをとるということですね。

親が何も言わないのでまわりの人がしびれを切らして注意して、「無視するのが一番なんです!」と開き直っても、トラブルの元ですし、親も注意しているようだし、まあいいかと思ってもらえればOKということです。

少しずるい気もしますが、コレぐらいの図太さが無いとやっていけないでしょう。

2013年11月20日水曜日

どんぐりころころ

モキチさん、最近よく歌います。
昔は歌とか好きじゃなかった気がするのですが、いつの間にか好きになっていました。
朝、車に乗っても、
「おうたかけて!」とか言います。

そんなモキチさんが最近良く歌っているのが、どんぐりころころの歌です。

どんぐりころころおちてるよ
ころころころころおちてくよ

って、そんな下向きな歌詞でしたっけ?
音程も微妙に違うような、、、

あるいは、ひょっとして、こういう歌があるのでしょうか?

2013年11月18日月曜日

発達外来を受診してみて その4 「負けても負けを認めない」

さて、今回は「負けても負けを認めない」というお話です。

診察中に、モキチさんがぐずって泣き喚いた際に、先生はさっと、別のオモチャを与えたところ、モキチさんはすんなりと遊びに入って行きました。

本来別のことをさせようとしていたはずなのですが、さも当然の如く、別のオモチャを与えて反応を見ていました。先生は、「手品のように」とか「さも、あらかじめ準備していたかのように」という表現を使っていました。プラン変更した際に、子供に負けてプランを変更したんだと子供に悟られずにさも当然の如く主導権を握っているていで振る舞うことが大切ということだと思います。

これがもし、子供に悟られてしまうと、ぐずったりごねたりという子供の行動が強化される方向に作用してしまいます。

ちょっと話は違うかもしれませんが、この辺りの話は、仕事でも使える気がしますね。
お客さんと話をしていて、想定外の方向に進んだり、準備した資料やデモに問題が発生した際にも、うろたえること無く、さも想定通りのように振る舞ったほうが相手に不安を与えません。何気に、割りと得意なことかもしれません。

子供が思ったとおりに行動しなくても、子供のペースにのらず、あわてずに、主導権を握りつつ対応することを心がけましょう。

2013年11月16日土曜日

「とこやさん」と刺激の過剰選択性

モキチさんは床屋の看板が好きです。
あの、赤と青でぐるぐる回っている奴ですね。

車に乗っていても、床屋を見つける度に、
「あ、とこやさん、まわってる」
とか
「とこやさん、かみきる、ちょきちょき」
とか
「とこやさん、やすみ、げつようび」
とか言います。

月曜日とかは、おそらく、おじいちゃんに教えてもらったのでしょう。

最近は、電柱に巻いてある、黄色とグレーの螺旋状のシマシマも床屋さんと読んでいたりします。
面白いなぁと思いつつ、自閉症児の特徴の一つなのかなとか思ったりもします。

自閉症児の典型的な症状の一つに「刺激の過剰選択性 "stimulus over-selectivity"」というのがあります。物のいろいろな特徴(色、形、音、大きさ)を全体的に認識するのではなく、一部の特徴を見てしまうということです。

このケースでは、「赤と青で螺旋状」という色と形を総合的に判断しているのではなくて、「螺旋状」という形のみで認識している可能性があるということですね。確かにモキチさんにもそういう傾向があるかなぁと思っています。今回のケースが本当にそうなのかは分かりませんが。

PRTでは、「複数の刺激に対する反応」というのを機軸行動の1つにおいていますのです、少しココらへんを意識して取り組んで行きたいと思います。

2013年11月14日木曜日

発達外来を受診してみて その3 「負け戦はしない」

さて、今回は「負け戦はしない」というお話です。

子供に何かをさせたい時に、既に勝敗が明らかになっているケースがあります。
例えば、親としては、帰宅した際に手を洗わせたくても、子供は完全にパンを食べるモードになってしまっているようなケースですね。

このような場合には、玄関を開けたら食卓にダッシュですから、手を洗わせるのは相当厳しい状況と言えます。既に負けは見えています。無理やり洗面所に引き戻したり、オモチャを取り上げたりしてグチャグチャのベトナム戦争のような消耗戦に陥るよりは、あまり意地を張らずに、食べる前にきちんと座るだとか、いただきますと言わせるだとか、主導権をもって有利に戦局をはこべる別のところで戦いましょう。

もちろん、「あらかじめ手を洗ってからパンだよ!」とかプライミングを用いて戦いに勝つべく最善は尽くすべきですが、負けが見えた段階でプランを変更する柔軟さが大事だということですね。

2013年11月12日火曜日

PRT(Pivotal Response Treatment)

PRT(Pivotal Response Treatment)はUCLAのケーゲルという人の提唱している療育方法です。

ケーゲルは以前紹介した、自閉症を克服するという本の著者でもあり、自分にとってはかなりしっくりときた内容だったので、興味を持っています。

PRTは”Pivotal Area”に対して働きかけをしてあげることによって、そられが他の領域にも波及効果を及ぼし、結果として大きな効果を上げるという考え方をとっています。

具体的には以下の4つをPivotal Areaとしているようです。
  • motivation
  • responding to multiple cues
  • self management
  • self initiation
PRTではDTT的なものは行わず、日常の生活のなかで子供主導の行動の中に介入するというスタイルをとります。従来のロヴァース式のABAのように網羅的にDTTを行うのとはちょっと違いますね。

うちはいわゆるロヴァース式のDTTは行っておらず、日常の生活のなかで積極的に介入をとるという立場ですので、共感できる部分は多いです。今のところうまく機能しているという感触はあります。まぁ、あくまで感触なのですが、、、

下の動画は、ケーゲルがPRTの特にmotivationの部分について説明している動画です。内容よりも、声がすげぇ高いなぁと思ってしまったのですが、発語の無い子供について非常に有効だという話もありなかなか興味深いです。

PRTについては今後もう少し詳しく紹介していきたいと思います。

2013年11月10日日曜日

発達外来を受診してみて その2 「柔軟なラインコントロール」

発達外来を受診していただいたアドバイスについて紹介してみたいと思います。まず1つめは柔軟なラインコントロールについてです。

サッカーにおいてディフェンス・ラインのコントロールは非常に重要ですが、子育てにおいてもラインのコントロールは重要です。特に自閉傾向のあるこどもに対しては、一貫性のある対応が必要な訳ですが、どこで線を引くかというのは非常に難しい問題です。

絶対に譲ってはならない線がある一方で、意地の張り合いにならない程度に柔軟にラインを変更するケースがあります。

どこに線を引くかはケース・バイ・ケースだとは思いますが、例えば自傷行為や他傷行為で要求を通そうとするような場合においては、絶対に譲ってはいけないでしょうし、ものすごいパンが食べたい時に「ちょうだい」とうまく言えないような場合には、あんまり意地を張らずにパンを与えたほうがお互いにストレスがたまりません。

ここらへんの線引きをいかに柔軟にコントロールするかで、日々のストレスを大きく軽減出来ます。実際にこのような点を意識してからは必要以上に子供に対してキレることが減ったと感じています。子供が全然いうことを聞かなくてイライラしてばかりという場合には、一度、それが本当に譲れない線なのか再確認してみることをオススメします。

2013年11月9日土曜日

半年でものすごい楽になりました

さて、このブログを開始して半年になります。

モキチさんも3歳になり、当初あった様々な育てにくさはかなり解消されてきました。

大きく変わったところをざっと挙げてみると。

  • 自傷、他傷行為がほぼ無くなった
  • 物を投げることが少なくなった
  • パニックをほとんど起こさなくなった
  • お風呂に自分から入ってくれるようになった
  • 手を繋いで歩くようになった
  • 大声で叫ぶことが減った
  • プレ幼稚園や支援デイサービスを利用できるようになった
  • 言葉である程度コミュニケーションがとれるようになった

といったところでしょうか。
最近は子育てでストレスはほとんど感じていませんし、ものすごい楽です。幼稚園や支援サービス、家族のサポート体制が確立したというのも大きいですね。

毎日の生活の困難さを解決するという意味では、基本的にABAを適用すればかなりの部分が解決できると思います。あとはやはりプレマックの原理ですかね。

以前は、お風呂に入れようとするだけで、嫌がる、暴れる、叫ぶ、殴る、と悲惨な状況に陥ったわけですが、今では、おもむろに冷蔵庫から野菜ジュースを取り出すと、「野菜のジュース飲む!」と言い出すので、「じゃあ、お風呂行ってズボン脱いでて」と言えば、勝手にお風呂に向かってズボンを脱いでくれます。あー楽ちん。

こないだなんかは、会社から帰って玄関のドアを開けた途端、「野菜のジュース飲む!」と言ってお風呂に向かいました。

もちろん、こういった対症療法的なアプローチだけではなく、もう少し、根本的なコミュニケーション・スキルや生活のスキルを伸ばしてあげる必要があります。特に、言葉は非常に重要です。なぜなら、上に挙げている項目の大部分は、言葉を代替手段とすることで解決することが出来るからです。(中には、発語の無いお子さんもいるでしょうから、その場合にはPECS等の代替コミュニケーション手段が有用だと思います。)

自傷や他傷行為があるというのは、逆に言えばそれほど要求のレベルが高い分けですから、その分、言葉を代替行動として教えてあげると習得のスピードは早いと思います。実際に、モキチさんはこの半年でかなり言葉が伸びているのですが、モキチさんの要求の高さが良い方向に作用したということでしょう。大変だったけど。

と、とりあえずこの半年は大きな成果があったと言って良いと思います。まぁ、先は長いんでボチボチ行きます。

2013年11月8日金曜日

「ちょっとちがうねー」

モキチさん、
「いっしょねー」とか、「あれ、ちがうねー」とか良く言います。

ちょっとちがうねー
だいぶちがうねー
ぜんぜんちがうねー

などど、言ったりもします。
こう書くとなかなかボキャブラリーが多いのではないかという印象をもたれるかたもいるかもしれませんが、実際には八割方同じことしか言いません。

また、欲しい物やその場で見ているもの以外のことを言うことはほとんどありません。幼稚園から帰ってきて、「今日〜した」とか言えるようになって欲しいものですね。このへんも課題として徐々に取り組んでいきたいと思います。

2013年11月6日水曜日

発達外来を受診してみて その1 「猛獣使い」

先日、評判のとても良い、発達外来の先生にモキチさんを診てもらいました。数ヶ月待ちだったのですが、診てもらった価値はありました。

といっても、良い医者に見てもらったら直るとかそういうものではないので、基本的にはうちらが困っていることに対するアドバイスと、将来の見通しを示してくれることに価値があるのだと思います。

個人的には、先生のモキチさんに対する扱いに非常に感銘を受け、「おー、すげーな」と思わずにはいられませんでした。最初にモキチさんが、おもちゃを取ろうとした際に、安易に渡さず、座らせて、チョーダイと言わせることに成功していました。動画を撮ってYoutubeにアップしてやろうかと思うレベルです。細かい動作や声の大きさなどが、非常に考えられており、モキチさんをコントロール下に置いていました。

表現は良くないかもしれませんが、サーカスでライオンに芸をさせているのと同じものを感じました。人間と動物は違うみたいなことを言う人はいますが、やはり、根本的なところは変わらないと思うのですよね。もし、先生が猛獣使いに転職したら、一流の猛獣使いになると思います。

診察は1時間程度だったのですが、その他にも有益なアドバイスをいくつかいただいたので、いくつか紹介したいと思います。ちなみに、タイトルはこちらが勝手につけたもので、先生がこんな言葉を言っていたわけではありません。

1.柔軟なラインコントロール

2.負け戦はしない

3.負けても負けを認めない

4.ギャラリー向けのパフォーマンス

5.夜中のパニックへの対処法

次回以降、順番に見て行きたいと思います。

2013年11月3日日曜日

障碍者とは

人によっては、「障害」じゃなくて、「障がい」という字を使うべきだとか言う人がいますが、
正直、どうでも良い話です。このブログでもいろんな字を使ってますが、特別意識して使い分けているわけではありません。

ちなみに、Wikipediaによると、

本来「障碍」「障礙」と書いて、ものごとの達成や進行のさまたげとなること。また、さまたげとなるもののこと。

とのことです。勉強になりました。

もちろん、障碍者というのは、障碍を抱えている人のことを言うのであって、他の人にとって、障碍になるという意味ではありません。

ですが、ぶっちゃけ、他者から見て障碍に感じるケースもあると思うんですよね。
身体的、精神的な障碍によって、普通の人と同じことができないケースがありますから、団体行動をする上で何かしらの影響があるケースがあるのは間違いないと思います。
なので、お互いに配慮は必要だと思うのですが、そこを無理に同じように扱おうとすると変なことになると思うんですよね。

「差別だ!」とか「平等に扱え!」とか、権利の主張ばかりする側にはならないように気をつけたいと思います。

そういや、バリバラで「配慮」or「差別」という回が放送されていたようです。録画したので見てみよう。

2013年11月1日金曜日

おにぎりをにぎるときの便利グッズ

モキチさんを週に3度ほど支援デイサービスに預けているわけですが、その際にお弁当を持たせる必要があります。

手が汚れるのが嫌がるのと、一口で詰め込んでしまう傾向があるため、基本的に小さめの丸いおにぎりをメインにしています。そんなおにぎりを作る際にこちらのグッズはとても便利です。

シリコン製の筒状のもので、この中にご飯を入れてねじってあげると丸いおにぎりを簡単に作ることが出来ます。海苔が剥がれないように、一度握った後で、再び海苔を巻いてから握っています。

モキチさんのお弁当は、ほぼ毎回
 おにぎり+ハンバーグ+果物
という組み合わせなのですが、おにぎりを残すことはほとんどありません。
かなりの偏食なので、ご飯にごまを混ぜたりと、少しだけ栄養のバランスに気をつけています。

完食した時は、「ピカピカ!」と嬉しそうにしているので、徐々に食べられない物を少しだけ入れてやろうかと思っているのですが、先日は、お弁当の上の段(おにぎり)だけ食べて「ピカピカ!」と嬉しそうにしていたらしいのでなかなか手強いかもしれません。

まぁ、以前にも書きましたが、食事に関してはそれほど重要視していません。他に課題が沢山ありますからね、、、、

2013年10月31日木曜日

「ぴんぽーん ぴんぽーん」

先日、モキチさんが電車のおもちゃで遊んでいたのですが、時間になったので強引に外に出ました。
すると、モキチさん、
「おちゃーさぁーん、おちゃーさん、あけるー」
と、ドアを叩いて開けようと泣き叫びました。うちの玄関のドアは重いのでモキチさんにはまだ開けられないのですよね。

当然、ドアが開くことは無いのですが、その後モキチさんは、玄関の前に立ち、

「ぴんぽーん、ぴんぽーん」

と大声で叫び始めるではありませんか。
これにはさすがにちょっと笑ってしまいました、、、新しい、、、
消去バーストによって新しい行動が発生したということでしょうか。

結局、ちょっと落ち着いたところで、抱っこして連れ去ったのですが、その際、かなり殴られてしまいました。

最近、毎朝家を出る前に
「おちゃーしゃんもいっしょにいくー」(母親も一緒に来いとの意)
と駄々をこねるようになってしまいました。家を出るたびに泣き崩れているので、幼稚園や支援サービスに行くのを嫌になってしまわないかと少し心配しています。まずは車までついてきてもらって、徐々についていく距離を短くしていくかなぁ、、、一度エレベーターに乗ってしまえば切り替えはできているんですけどね。

今朝も抱っこした際に殴られて顔が痛いです、、、、

(※この記事を書いたのは数日前なのですが、幸いなことにここ最近はスムーズに家を出れています。)

2013年10月28日月曜日

「ごめんなさい」

モキチさん、最近、「ごめんなさい」と頭を下げてきたりします。
悪いことをしてしまった時に反省して言っているなら理解できるのですが、よくわからないシチュエーションで突然言うのですよね。

先日は、朝泣きながら「ごめんなさい」と叫んでいるので、なんだかかわいそうになってしまいました、、、

先ほども、突然「ごめんなさい」と謝るので、なにかと思ったのですが、テレビでみのもんたが謝っていたのを見たからのようです。

一応謝罪ということが分かっているということですかね、、、

2013年10月27日日曜日

言語行動について理解する その3

さて、前回は、エコーイック、マンド、タクト、イントラバーバルについて説明しましたが、今回はマンドの重要性について考えてみたいと思います。

モキチさんにとって、マンドの習得がひとつの大きな山だったのではないかと思います。
はじめはオウム返しで、その後、物の名前を言うようになり(といっても、数種類ですが、、、)、パンなどが欲しいときに言葉で言えるようになったのはかなり時間が経ってからでした。

言葉で言えるようになるまでは、良くパニックを起こして、冷蔵庫や机に頭をガンガンぶつけていました。1歳半過ぎのころでしょうか。ちょっとおかしいなと思って、自閉症やABAなどについて調べ始めたのもこのころだったと思います。その他にも横を見ながら1km以上走っていってしまったりといろいろ怪しい点はありましたが、、、

一般的にロヴァース式のABAでは、まずエコーイックやタクト、イントラバーバルを教え、その後マンドを教えていく流れになっています。確かにこれはこれで理にかなっているのでしょうし、実際、定型の子供はこの順番で言葉を覚えていくのだと思います。

ですが、発達障碍の子供の場合、親が何か手を打とうと思った時期には、子供がそれなりに成長し、既に要求のレベルが高まっているケースが少なくないと思いますし、そのような場合には、そこからロヴァース式のABAを取り入れてもマンドにたどり着くまでが長過ぎて大きなストレスになると思われます。

うちはDTTは行っていませんが、自傷行為が増えてきたときにゼリーや海苔を使って、アイコンタクトとマンドの練習をけっこうやりました。マンドを習得することで、言葉によって要求を通すことを覚えたので、自傷行為も減っていきました。

ちなみに、PECSという手法があるのですが、PECSでは、マンドから学習するのですよね。具体的には、欲しいものが書かれたカードを渡すことでマンドを実現します。自閉症児に適用するには非常に優れたアプローチだと思います。

モキチさんのその他の行動を見ても、マンドを習得してから他者との関わり方が変わってきました。早い段階でマンドを習得することが、単に要求する言葉を覚えるということ以上に重要な意味を持っていたと感じています。(これは親としての感覚であって、厳密な話すると単にそういう時期だっだけという可能性もありますけどね。)

2013年10月26日土曜日

「おとうさんなにつくってるの?」

モキチさんは毎朝バナナジュースを飲みます。
今朝、バナナジュースを作ってると、カウンター越しに

「おとうさんなにつくってるの?」

と聞いてきました。
今までモキチさんに何万回も質問はしていると思うのですが、モキチさんから質問されたのは初めてかもしれません。というか、モキチさんが物を要求することと、見えたものの名前を言うこと以外の言葉はかなり少ないのですよね、、、後は意味不明な言葉と、下手くそな歌だけです。

普通だったら「これなーに?」とか言いまくって親をうんざりさせるお年ごろだと思うのですけどね。

もともと「バナナジュース飲む!」と言って作らされていたので、何を作っているかはわかっているはずなので、本当に質問したかったかどうかは疑問ですが、まぁ、新しいバリエーションが出てきたということは良いことでしょう。

2013年10月25日金曜日

言語行動について理解する その2

まずは、6つの言語行動のうち、エコーイック、マンド、タクト、イントラバーバールの4種類につい整理したいと思います。

エコーイック
エコーイックとは音声模倣のこと、つまり、オウム返しのことです。

「りんご」という言葉に対し、「りんご」と答えるのがエコーイックです。

エコーイックを習得しておくことで、その後効率的に言葉を学習していくことができますので、多くの場合、療育の初期のステップとしてエコーイックが位置付けられています。以前も紹介しましたが、自閉症児にはエコーイックが多いという特徴があります。

マンド
マンドとは、要求言語のことで、好子を指定するような言語です。
お腹が空いたときに、
「おいしいパンください」
と言ったり、抱っこしたら
「でるー」
と言うのがマンドです。
モキチさんの例で考えると、マンドを習得するまでがひとつの山だったなぁという気がしています。

タクト
タクトとは報告言語のことで、報告や説明をする際の言語行動です。
電車が通ったときに「電車!」と言うのがタクトですね。

モキチさんは、1歳半あたりからほぼ毎朝散歩をしていたのですが、徐々に「はっぱ!」とか「わんわん!」とか、見たものを言うようになりました。図鑑などを見て、ものの名前を言うようになったのは2歳を過ぎてからくらいだったと思います。

イントラバーバル
イントラバーバルとは、他の言語行動が、弁別刺激となる言語行動です。
「かして」という言葉に対して
「どうぞ」
と言ったり
「ただいま」という言葉に対して、
「おかえり」
と言うのがイントラバーバルの例ですね。

タクトとの違いは、弁別刺激が、言語によるものかそれ以外のものかということになります。

次回は、モキチさんの経験を元にマンドの重要性について考えてみたいと思います。

2013年10月23日水曜日

言語行動について理解する その1

行動分析学の創始者はスキナーというアメリカの学者なのですが、彼は、コミュニケーションの手段を言語行動として分類し、言語行動も他の行動と同様に随伴性によってコントロールされていると主張しました。これまでのモキチさんが言語を獲得してきた道のりを振り返ると、言語を言語行動という行動随伴性の枠組みでとらえるということは非常に重要だという認識を持ちましたので紹介しておきたいと思います。

言語行動はオートクリティックと六種類の基本言語オペラントに分類されます。
6種類の基礎言語オペラントとは、

マンド(要求言語行動)
タクト(報告言語行動)
ディクテーション(書き取り行動)
コピーイング(書き写し行動)
エコーイック(音声模倣行動;反響反応)
テクスチュアル(読字行動;読字反応)
イントラバーバル(言語間制御;内言語)

の6つです。

幼児期の自閉症児の子育てにおいては、エコーイック、マンド、タクト、イントラバーバルあたりを抑えておくと良いと思います。

言語行動という概念を理解することによって、言葉を習得するにあたって「言語行動を強化する」というアプローチをとることができますし、どのようなトレーニングをすれば良いかが明確になり効率的に言語を学習していくことが可能になります。

これから数回にわたって、言語行動について考えてみたいと思います。

2013年10月22日火曜日

ペーパークラフトでものが壊れることを教えてみる

モキチさん、ものが壊れるという認識をあまり持っていないようです。
自分が好きなオモチャでも、ガンガン投げたり、机に叩きつけたりします。

先日、思い立って電車のペーパークラフトを作って渡してみたところ、しばらく遊んだ後で誤って潰してしまい、少し悲しそうにしていました。

「つぶれちゃったじゃんー」と言って直してあげたところ、その後潰れた場合には、
「つぶれちゃったー」と言って持ってくるようになりました。
微妙に楽しそうに持ってきたり、自分で握りつぶしておいて泣いてたりする時があるのがちょっと気になりますが、何かしらの効果がある気がしています。

高級なオモチャが壊れてしまうとショックなので、こういったものでものが壊れるという認識を持たせることは良いことかもしれません。

電車のペーパークラフトを作ろうという方に、こちらのサイトは非常にお勧めです。
簡単に作れて、それなりに見える電車のペーパークラフトが山ほど公開されています。普段目にしている電車を検索して作ってみましょう。ちなみに、検索の際は○○系などの名称で検索しないとヒットしないので注意しましょう。


2013年10月21日月曜日

「あばさん」

モキチさん、

「あばさん、あばさん」

と良く言っているのですが、謎です。
お気に入りのテレビ番組を見ているときに言うので、そこにヒントが隠されているかもしれません。
電車関連っぽいんだけどなぁ、、、

謎が解明されたらまた報告します。

2013年10月20日日曜日

練習回数を増やす工夫

うちではいわゆるロヴァース的なABAを行うのではなく、主に生活の中にABAを取り入れて療育的な生活を心がけようと思っています。

ロヴァース的なABAを採用しないからといってDTTの有効性を否定しているわけではありません。DTTには、なんといっても、沢山の回数練習できるというメリットが有ります。そのため短期間に必要な行動を習得できます。

机に座ってのがっつりしたDTTを取り入れない場合には、普段の生活の中でも練習の回数を増やす工夫を取り入れるのが良いと思います。

具体的には
  1. 一度に与える量を少なくする
  2. 沢山仕事を与える
の2点を意識しています。

一度に与える量を少なくする
これは、マンドのトレーニングに有用です。物を要求するときの言語行動ですね。「ちょーだい」と言わせたいときに、物を少ししか与えないことで、「ちょーだい」とたくさん言わせることができます。
モキチさんはよく「おいしーぎゅーにゅーくぅださい!」とか言うのですが、1回でコップになみなみと注ぐのではなく、1cm程度にしておくことで何回も練習することができます。(牛乳をこぼしづらくするためという理由もあったりします。)

仕事をたくさん与える
生活の中で子供ができそうなことはなるべく子供にやらせます。たとえば、電気をつけるだとか、ちょっとした物を拾ってもらうとか、ゴミをゴミ箱に入れるとか、日常の些細なことを子供にお願いして、できたらきちんと褒めてあげます。

定型の子供と違って、普通に生活していると、なかなか身につかないことも多いので、なるべくこまめに介入してあげることが重要だと思います。また、なるべく早い段階で、何かをできることの喜びを感じられるようにすることで、好循環が生じてその後の伸びも大きくなると思いますので、課題の粒度を小さくして、サイクルの回数を増やすことを意識して取り組みたいところです。

まぁ、その点を突き詰めた姿がロヴァース式のABAということなのでしょうね、、、、

2013年10月19日土曜日

ものすごい有用なサイトを見つけました

PRT(Pivotal Response Treatment)という手法について興味があっていろいろ調べていたのですが、素晴らしいサイトの存在を知りました。

Autism Internet Modules

登録すれば誰でも無料で自閉症関連のコースをオンラインで学習することが出来ます。
一部上級向けは有料のコンテンツもあるようですが、一般の人には必要ないでしょう。

どのようなコースが用意されているかというと、現時点で43のコースが公開されています。例えば、PRTで1つのコースが構成されており、以下のコンテンツが提供されています。
  • Introduction
  • Pre-Assessment
  • Objectives
  • CEC Professional Standards
  • Overview
  • What is PRT?
  • Why Was PRT Created?
  • Who Can Use PRT?
  • The Focus of PRT Intervention
  • +Pivotal Behaviors
  • +Teaching Key Pivotal Behaviors: Procedures for Implementation
  • +How Can PRT Be Used in the Classroom?
  • +Data Collection to Monitor the Progress for Learners with ASD During PRT Sessions
  • Case Study: Preschooler
  • Case Study: Elementary Student in Inclusive Settings
  • Case Study: High School Student
  • Summary
  • Frequently Asked Questions
  • Evidence Base for PRT
  • Citation and References
  • Post-Assessment
PRTでとは何かという基本的な話から、ケース・スタディまで、こんなの無料で公開しちゃって良いのですか?というレベルです。その他、プロンプトや強化子といった単位でコースが公開されており、これらをひと通り読んでおけば、そこら辺のセラピストには負けない知識を得られるでしょう。

やっぱ洋書の方が良い情報があるんじゃないかなぁと思っていたのですが、まずはこのサイトのコンテンツを読み込んでみたいと思います。PRTでについては別の記事で紹介する予定です。

2013年10月18日金曜日

幼稚園の面接に行ってきた

プレに通っている幼稚園との面接は不調に終わったので、別の幼稚園の面接に行ってきました。
園長先生と1時間程度お話したのですが、結論としては非常に印象は良かったです。

まず、障がい児を積極的に受け入れているとのことで、実際にモキチさんの様子を見て、受け入れることについては全く問題無いとのこと。園長が、障がい児を断らずに受け入れろとの指示を出しているようです。モキチさんへの接し方を見ても障がい児を扱うノウハウがそれなりにあるように見えました。

そして、何よりも、うちのスタッフならこの子は伸びるよと、言ってくれたのが良かったです。スタッフのスキルがどの程度高いのかは正直まだ良くわかりませんが、少なくとも、「対応できるか分からない」とか「他に良い所があれば」とか言われるよりははるかに信頼できるでしょう。

実は、もう一つ別の幼稚園も快くモキチさんを受け入れてくれると言ってくれています、そちらは、受け入れてはくれるものの経験が豊富という感じではなかったのと、少し自由過ぎる気がしたので、モキチさんには、もう少しかっちりしたこちらの幼稚園の方が良いのではないかなと思っています。

まだ確定したわけではないのですが、とりあえず受け入れてくれる幼稚園が無くて路頭に迷うということはなさそうなので良かったです。

2013年10月17日木曜日

優先順位をつけることの大切さ

まぁ、仕事でもなんでもそうなんだとは思いますが、特に子供の課題については優先順位をつけて、優先度の高いものについては集中的に取り組む必要があると思います。

優先的に取り組む課題の例としては、多傷行為、自傷行為といったものが真っ先にあげられますが、大声で叫ぶ行動や、親の睡眠を妨げる行動など、親にとってストレスになる行動についても優先的に取り組むことをオススメします。

親の都合で子供の行動を操作することに対して批判的な意見の方もいらっしゃるかも知れませんが、ただでさえ大変な障害児を育てていくにあたって、親の負担を少しでも軽くすることが結果的に双方にとって良い結果につながるのではないかと思います。

同様に、子供のために一番になるからといって、親が無理してしまうのも良くないでしょう。例えば、金銭的に無理をしてセラピーに通わせるとか、週に40時間以上DTTをやらなきゃいけないんだ!と必要以上に頑張るとか、遠くに良い学校がある!と片道2時間通学させるとか、おそらく良い結果につながらないでしょう。

時間や、気力、体力には限りがあるので、優先順位を付けて、無理しない程度に頑張りましょう。

2013年10月14日月曜日

アンパンマンのラムネ

アンパンマンのラムネは好子としてはかなりいけてるアイテムです。
  • 手が汚れない
  • 容器に入っていて持ち運びに便利
  • 1回に与える量が少なくて済むため、何度も与えられる
  • 安い
というだけでなく、アンパンマンのキャラクターが精巧に作られているため、見て楽しむこともできます。モキチさんは、1粒渡すと、すぐに食べずにしばらくは見て楽しんできます。
また、容器も良くできているので空の容器を渡すだけでも喜びます。

同じようなトーマスのラムネもお勧めです。

 

2013年10月13日日曜日

「ありがとうございまいした!これ、たいせつです!」

モキチさん、食べ物をもらったときなどに、「ありがーとう」と、言うことがあるのですが、
最近、ペコリと頭を下げながら、

「ありがとうございまいした!これ、たいせつです!」

などと言うようになりました。

オ、オウ、確かに大切だな、、、

どこで教わったんだろう、、、

2013年10月11日金曜日

「消去」の難しさ

不適切な行動への対策方法としては、「消去」と、「分化強化」が基本であることは何度も述べてきましたた。ですが、この「消去」は簡単なように思えて、実はなかなか難しかったりします。

特に気をつけなくては行けないのは、自分で消去しているつもりでも、何気ない行動で強化してしまっているケースがあることです。

例えば、モキチさんは良く大声で叫びます。普通の子供が日常生活では出すことのないレベルの大声なので、初めての人は何事かとびっくりすると思います。

大声を出す理由としては、テンションが上がって、自己刺激的に叫ぶ、大声を出すことでこちらの注意を引きたいという2つの側面があると思われます。

対応としては、

  • 大声に対して、過度に反応せず、無視する(消去)
  • 大声を出していない時に褒めてあげる(他行動の分化強化)
  • 小さな声で喜んだ時に、褒めてあげたり、反応してあげる(代替行動の分化強化)
  • 何か集中できる他の課題を与える

といった方法が考えられます。このケースで消去が難しいのは、大声を出されるとどうしてもモキチさんのことを見てしまうことです。目が合うと、大抵こちらを見て笑っているんですね。大きな音に反応するというのは、条件反射みたいなものですから、なかなか抑えることができませんし、音に対しては即時に反応してしまいます。注目を浴びたい側にとってコレほど良い方法は無いんですね。

消去をしているつもりでも、行動が減らない場合には、視線の移動等の、自分でも意識していない行動が強化子として働いていないか検討してみましょう。

この場合の対応ですが、

  • 悟りを開いて叫び声に反応しないようになる
  • 一度目を合わせてしまっても、気づかないふりをして、叫ぶのが終わってから対応してあげる
  • 部屋を出て行ってしまう

などが考えられます。ちらっと見てしまっても、やられたと顔に出してはいけません。叫んでいるのが聞こえないように振る舞うのがポイントだと思います。

2013年10月10日木曜日

100個目の記事

5月16日に始めたこのブログ。
この記事で100個目になるようです。

5ヶ月で100個ということは、3日に2個くらいのペースでアップしていることになりますね。自分で言うのもなんですが、良く書いたなぁという感じです。
ブログに書いたことによって
  • 自閉症やABA、子育てに関する知識の整理
  • 子供の成長の記録
  • 他の人に、現状を理解してもらう
といった役割は果たせているのかなと思います。

ちなみに、1日のアクセスとしては、多い日で100PVくらいでほとんどがfacebook経由です。最近は徐々にネタ切れしつつあるので、更新のペースは下がってくるかと思いますが、今後ともよろしくお願いします。

2013年10月8日火曜日

オペラント行動とレスポンデント行動

スキナーは行動をオペラント行動とレスポンデント行動の2つに分類しました。ABAで主に扱うのはオペラント行動です。

Wikipediaによると、
オペラント行動 (operant behavior) とは、その行動が生じた直後の環境の変化(刺激の出現もしくは消失)に応じて、その後にその行動が生じる頻度が変化する行動をいう。
とのことです。

行動後の環境の変化によって強化されたり、弱化されたりする自発的な行動ということですね。行動前の環境が行動を起こすかどうかに影響は与えますが、行動の原因そのものではありません。
一方、レスポンデント行動というのは、環境のみによって誘発される行動です。例えば、目に空気が吹きつけられたら瞬きをするとか、脅かされると心拍数があがるとか、要するに条件反射ですね。

レスポンデント反応についても条件付けは成り立ちます。梅干しを見たら、よだれがでる場合に、梅干しを見せる時に常にブザーをならすようにすると、そのうちブザーがなるとよだれがでるようになります。パブロフの犬と同じですね。

当然ながら、子育ての際にはオペラント行動を好子、嫌子によって操作していくということになります。

2013年10月6日日曜日

自己刺激行動をやめさせる方法

自閉症で、問題となる行動に自己刺激行動と呼ばれるものがあります。
ヒラヒラと手を振ったり、ひとりごとをつぶやいたり、体を揺すったりする行動ですね。その行動自体が、本人に何らかの刺激を与え、その刺激が好子として作用するので自然と強化されてしまいます。

自己刺激行動の何が問題かというと

  • 自己刺激行動に没頭し、成長が阻害されてしまう
  • 周りが不快な思いをする
  • 変な人だと思われて、相手にされなくなる

といった点があげられます。攻撃行動や自傷行為などと比較すると優先度は下がるかもしれませんが、社会と関わりを持つにあたって大きな問題となるケースもあるでしょう。自己刺激行動への対策としては以下のものが考えられます。

1.時間と場所を制限する
自己刺激行動によっては、時間と場所さえわきまえれば、問題無いケースがあります。例えば、独り言が好きな子に対しては、自分の部屋だったり、車の中だったらOKというルールを作ってあげます。完全に禁止されるわけでは無いので子供も受け入れ易いでしょう。もちろん、部屋に1日中こもって自己刺激行動に没頭している場合には問題であることは言うまでもありません。

2.課題を与える
自己刺激に没頭してしまう理由として、「暇だから」というケースがあります。何かしらの課題を提示してあげたり、一緒に遊んであげたりしましょう。その他にも、自己刺激行動の先行条件が明らかな場合には、環境調整をしてあげましょう。

3.他行動の分化強化(DRO)
自己刺激行動をしていない時に強化してあげましょう。これも基本ですね。トークン・エコノミーと併用するのも良いでしょう。

4.レスポンス・コストによる弱化
弱化は積極的に使用すべき手段では無いと思いますが、必要に応じてレスポンス・コスト等の手法を使用しましょう。

自己刺激行動を無理やり止めさせると大きなストレスになる可能性が有るので、あまりガチガチに規制せず、社会生活を送るにあたって問題になりそうなものから対応していくことが重要だと思います。

2013年10月4日金曜日

「たたいちゃだめ!」

と、言いながら殴りかかってくる。
モキチ、、、恐ろしい子、、、

2013年10月3日木曜日

「みどりのたおるくぅーだぁーさい!」

モキチさんはタオルが好きです。
これまでに撮影した写真を見てみると、かなりの確立でタオルを持っています。

朝、車に乗った際も、タオルを要求してきますし、寝る際もタオルをもってベットに行きます。
お気に入りのオフロスキーのタオルの他に、最近は「あたらしいタオル!」を要求するようになってきて、ひどいときはタオルを4枚くらい抱えてベットに行きます。

困るのは、お気に入りのタオルが洗濯中の時です。
最近は「みどりのたおる」がお気に入りなのですが、

「みどりのたおるくぅーださい!」
といった時に
「洗濯中だよ」
といって納得してくれる場合と、キレるケースがあります。

そこで、ヨメは自分で洗濯機にタオルを入れさせているようです。
それによって怒らずに納得してくれます。

自分でやらせるというのは、非常に重要なポイントですね。このパターンは、食べ終わった食器を片付けさせるなど、他のケースでも使えます。

2013年10月1日火曜日

ピンチをチャンスに変える?発想法

子供が何かを欲しがってパニックになった時、
普通ですと、あーまたかと暗い気持ちになりがちですが、そんな時は発想の転換をしてみましょう。

そんなに好きなものは強力な好子として利用できるということです。
効果的に行動を強化するには、強力な好子が必要なわけですが、好子は使っているうちに効果が弱まってきます(飽和化)。

モキチさんに対するお風呂上りのゼリーもだんだんと効果がなくなってきました、、、が、最近では野菜ジュースが効果を発揮しております。

ということで、ABAを継続的に実行するにあたって、質の良い好子をいかに確保するかが重要な問題となってくるわけです。

子供が何かを欲しがってパニックになったら、
「ヨシヨシ、これは使えるな」
と前向きに考えましょう。

まぁ、温存しておいていざ渡してみるとすぐに興味を示さなくなるってケースもあるんですけどね、、、

2013年9月30日月曜日

「あーもーみー」の謎がついに解明される

モキチさん、よく
「あーもーみー♪」と歌っています。
ずっと謎だったのですが、ついに答えが判明しました!

グーチョキパーの歌があり、

「右手がグーで左手がチョキでカタツムリー」

という歌詞があります。
その「カタツムリー」を「あーもーみー」と言っているみたいです。

音的には、「あーむーみー」ならもう少し早く気づいたんですけどね。

あと、最近謎なのは、「うちゅうせんせい!」という言葉があります。
どこかの先生にそういう名前の人がいるのか、、、
解明されたらまた報告します。

2013年9月29日日曜日

外食をすることについて考えてみる

自閉っ子がいると、外食とか旅行とか、いままで当たり前のようにできていたことのハードルがものすごく高くなってしまいます。

ですが、外食をすることは家族のストレス解消にもなりますし、社会性を身につけるという意味では子供にとっても重要なことだと思います。

しかし、実際問題として、モキチさんは超声がでかい&机をバンバン叩いたり、大声で笑ったり、店内を走り回ったりするので、外食をするということがなかなか難しい。
お店に注意されることもありますしね、、、

とはいっても、外で食事をする練習も必要です。以前読んだ、自閉症へのABAという本にも、外で心無い言葉をかけられた際の準備をしておけという章がありましたが、確かに重要なことだなぁと思います。もちろん、いろいろな対策を練って、問題なく外食ができるようになることが望ましいですが、一方で、もう少し自閉症の人や家族が気楽に外食ができるような仕組みがあっても良いと思うのですよね。

たとえば、月に1日レストランが障碍者の家族を受け入れて、カオスな状態を許す日なんかを設定するとか。女性専用車両なんかより、よっぽど意義のあることだと思いますがどうでしょう?親だってたまには気楽においしいものを食べたいのです。まぁ、そういう場合は、子供をあずけて食べにいけって話もありますが。

子供が騒いでも大丈夫で、そこそこ美味しいレストランなんかのリストも作りたいところです。

この動画は、レストランに自閉症の子がいて、その行動を非難する客が現れた時に、その他の客がどのような反応をするかを検証した番組です。 アメリカってそんなにいい国だとは思いませんけど、こういうのは、ちょっといいなと思ってしまいます。USA!USA!

2013年9月28日土曜日

「おいしいクッションたべれない」

モキチさん、なんにでも「おいしい」を付けてしまいます。
  • おいしいテーブル
  • おいしい椅子
  • おいしいクッション
などなど、何でもありです。
その度に、「食べられないよ」とこちらが訂正するので、最近では、
「おいしいくっしょんたべれないー」等と言うようになりました。
意味不明ですね、、、

ちなみに、嫌いな食べ物を食べさせようとすると、匂いを嗅いで、「すっぱいー」と叫びながら部屋から出て行きます。語彙が少ないのでひとつの言葉でカバーする範囲がものすごい広いのですよね、、、

2013年9月27日金曜日

プレ幼稚園 第7話 面接

その後、モキチさん、プレ幼稚園にも慣れ、週2回、9時から2時まで楽しく通っています。
幼稚園を選ばなくてはいけない時期になってきましたが、今の園でなんとかなるなら、そのまま通わせても良いかなぁなどと思い始めていた矢先、面接がセッティングされました。

突然面接がセッティングされたので、仕事で参加できなかったのですが、後で話を聞くに、とてもネガティブな印象を受けてしまいました。自分で直接聞いたわけじゃないのでもしかしたら違っているのかもしれませんが要点は以下のとおり。
  • 自分たちは専門知識が無いので、専門的な教育が受けられるなら他の施設が良い
  • 今、年少に一人発達障がいの子供がいるが、入園後、診断がおりた
  • 加配は付けない。年少は担任1人プラス補助一人
  • 年中から先生が一人になる。その子は年中にあがれるかは分からない
  • 運動会などの行事は練習だけ参加して本番は参加しないという手もあり(意味不明)
なんというか、やる気が無い。
モキチさんにとって一番良い環境を選んであげるべきだみたいなことを言っていたのですが、結局、積極的に受け入れる気もないし、受け入れるために手を打つつもりもないというスタンスなのだなぁという印象を持ちました。

まぁ、確かに障がい児を受け入れるのはコストがかかるかも知れないし、いろいろ面倒な問題もあるので仕方ないことなのかもしれません。ただ、こっちは最初から、障がいのことは伝えてあるんだから、その時点でお断りですって、言ってくれた方がまだスッキリするかなと。障がい児を扱うのは特殊なスキルが必要な訳ですから、障がい児の受け入れをしないというのは、差別じゃないと思うんですよね。そういったことを表に出さずにやんわりと断るのはどうなのかなあと。

あ、この幼稚園が差別的だと言っている訳じゃないですからね。
単に受け入れる体制と気持ちが無いということだと思います。
まぁ、結果的に面接をして、そういったことを再確認できたので、面接の意義はあったのかなと思います。少なくともここに入れることが最善の選択ではないかなぁという思いが強くなりました。

別の幼稚園を探さなくては、、、

2013年9月26日木曜日

肯定的な表現を意識的に使う

自主性のある子供を育てるにあたって、肯定的な表現を使うことを心がけることは非常に重要だと思います。

例えば、
「宿題が終わらないと遊びに行けないからね!」
という表現よりは、
「宿題やって、遊びに行こうよ!」
という表現をして、宿題ができたらしっかりと褒めてあげたほうが良いということです。

ABA的には、前者は負の弱化、つまり、宿題からの逃避をレスポンスコストで弱化するということであり、後者は、正の強化、宿題をやると言う行動を、強化するということになります。

一見、同じ結果がもたらされているように思えますが、前者の場合ですと、親が見ていないときに宿題をやらないというパターンに陥りがちです。

疲れてきたり、子供が言うことを聞かなくてうんざりしてくるとどうしても否定的な表現を使いがちですが、意識して肯定的な表現を使うようにしています。

2013年9月25日水曜日

「アナアイチャッタ、、、」

モキチさんには、物が壊れるという概念があまり無いようです。
気に入ったおもちゃなどでも、投げたり、ガンガンぶつけたりします。
おかげで、家の床は傷だらけです、、、

ですが、そんなモキチさんも、少し変化が出てきたようです。
先日、おもちゃを投げ飛ばして、フローリングの床に穴が開きました。
「穴あいちゃったじゃーん」と言ったところ、反省しているのか、
「アナアイチャッタ、、、」と穴を指差して悲しそうな顔をしています。

また、別の日に、いすを倒して、いすの青い塗料が白い壁についてしまいました。
「あー壁についちゃったじゃーん」と言うと、
「アナアイチャッタ、、、」と、また悲しそうにしています。

またまた別の日に、おもちゃを机にたたきつけて、机に張ってあったテープに傷がついてしまったところ。
「アナアイチャッタ、、、」と泣いていました。

その後も、壁についた青い傷を指差しては、
「アナアイチャッタ、、、」と時々言っています。
溶剤かなんかで拭けば消えるかもしれないのですが、しばらく戒めのためにそのままにしておこう、、、

あんまり責めるのもかわいそうなので、その場では大丈夫だよと言って上げるのですが、早く物が壊れるということをちゃんと認識してもらいたいものです。

2013年9月24日火曜日

DRx

以前、DRO(Differential Reinforcement of Other behavior:他行動の分化強化)について紹介しました。不適応行動をしていないことを強化してやるということですね。
分化強化とは、特定の基準を満たした場合のみ強化することです。

ここでまとめておきましょう。
  • DRO(Differential Reinforcement of Other behavior)
  • 他行動の分化強化
問題行動を行っていないことを強化してあげます。例えば、走り回らずにおとなしくしていられることを強化します。

  • DRA(Differential Reinforcement of Alternative behavior)
  • 代替行動の分化強化
問題行動の代わりとなる、代替行動を強化します。例えば、自傷行為で要求を伝えようとする子供に対して、言葉による要求を強化します。

  • DRI(Differential Reinforcement of Incompatible behavior)
  • 両立不可な行動の分化強化
問題行動と両立できない行動を強化します。例えば、食べ物を口に入れる前に手でこねてしまう子供に対して、すぐに口に入れる行動を強化します。

不適切な行動をコントロールしたい場合に、こういった選択肢が頭に入っていれば、対応策の幅が広がってきますね。例えば、エレベーター内で子供が大声で叫ぶことに悩まされている場合に、静かにしていたら褒めてあげるという方法(DRO)の他に、小声で歌を歌わせる(DRI)といった方法を思いつくことができます。

他にも、
  • Differential Reinforcement of High response rate
  • 高反応率分化強化
  • Differential Reinforcement of Low response rate
  • 低反応率分化強化
といったものがありますが、子育てにおいては、あんまり使うケースは無さそうです。

2013年9月22日日曜日

名前を覚える

モキチさん、一応自分の名前は分かっているようです。
泣いたときに「モキチくん、泣いちゃった」とか言ってますし、
家族が写っている写真を見せると、
「こっち、おとーさん、こっちおしゃーさん(お母さんのつもり)、こっちモキチくん!」
と言ったりもします。

朝、支援サービスにモキチさんを預かってもらうときに、靴を脱いで下駄箱に入れて、そこに名札を差し込むのですが、先生が2つの名札を見せて、どっち?と聞いたら、ちゃんと自分の名前の書かれた名札を選んでいました。文字もなんとなくは認識しているようです。

文字は嫌いじゃなさそうなので、生活にもう少しお勉強的な要素を取り入れるのも良いかなぁと思い始めました。ラミネーター買おうかな、、、、

2013年9月21日土曜日

モニタリングの重要性

ABAを適用するにあたって、記録をつけることは非常に重要です。
不適切な行動の頻度がどれくらいで、介入によってどれくらい改善しているかをきちんと計測しないと正しい介入が行えているかどうか判断できないからです。
もし、雇っているABAのセラピストが記録をとってなかったら別の人を探したほうが良いと思います。

また、親のモチベーションを保つという意味でも、モニタリングは非常に重要です。

自閉症の子供を育てるのは、正直、大変です。
どうしても日々の生活に追われて、子供の成長を見逃してしまいがちです。
また、いろいろと課題が多いため、できることよりもできないことに注目しがちです。

記録をきちんととっておくことで、小さな成長にも気付くことができます。
例えば、先週は朝10回叫んでいたのに、今週は5回になったとしたら、それは大きな進歩ですよね。

というわけで、記録をつけることは非常に重要です。
ですが、うちで記録をつけているかというと、ちゃんとつけていないのですね。
理由は記録をつけるのが面倒だからです、、、ごめんなさい。
せめて、ブログで日々の生活を記録しておこうとは思っていますが、やはり記録はつけたほうが良いですね。

簡単に記録を付けられるような、Androidのソフトでも作ろうかなぁ、、、

2013年9月20日金曜日

家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46―自閉症の子どものためのABA基本プログラム

これは実に良い本だと思います。
ABAの基本的な理論も書いてありますが、46の具体的な課題に対してどのように進めていけばよいのかを丁寧に解説しています。

レベルとしては、比較的容易な課題が多いので、高機能だと簡単すぎるレベルかもしれませんが、それなりに幅があるので参考にできる部分をピックアップしてトレーニングを始めるのが良いでしょう。

子供に課題をやらせてみようとすると、なかなかうまくいかないことが多いので、こういったケース・スタディ的な本は非常に参考になります。

著者はABAの世界では第一人者的な方です。療育のノウハウは得てして飯の種としてお金を出さないと提供してくれないケースが多いので、こういった方がノウハウをどんどん公開してくれるのは非常に良いことですね。

続編もあるのですが、そちらはもう少し本格的なDTTの解説書になっているようです。
 

2013年9月19日木曜日

「おべんとうたべた」

モキチさんは、これまで目の前のことを言葉にすることがメインでした。
ですが、最近、過去形が少し使えるようになってきました。

先日、夕方、デイサービスから帰ってきた時に、

「今日、お弁当食べた?」
「おべんとうたべた」
「ほんと?おにぎり食べたの?」
「おにぎりたべた」
「ハンバーグも食べたの?」
「ハンバーグたべた」

という会話がなされたのですが、正直、単にこちらの言葉を繰り返しているだけかと思いました。そこで、お弁当を開いて確認したところ、なんと完食しているではありませんか!

そしてまた先日のことです
連絡帳に、公園に行って滑り台を楽しみ、そのあと歩いて駅まで行って電車を見たと書いてあったのですが、

「こーえんいった」
「えきいった」

などと言うではありませんか。おー進歩してんなぁと感心。
まだ自発的に話をしてくれるレベルにはなっていませんが、欲しい物の名前を叫んでいるだけのレベルに比べると格段の進歩です。

何かの本にも書いてありましたが、その日幼稚園や学校で何があったか少しでも手がかりがあると会話の糸口になるので、連絡帳的なシステムは非常にありがたいですね。

今日あったことを話たり、目の前にあるものを「コレ何?」と聞いたりと、定型の子供なら普通にできることかもしれませんが、そういったことがなかなか身につかなぁというのは実感としてものすごいあります。

定型に近づけることが全てとは思いませんが、やっぱり変なことを言ったり、変な行動をすることは、普通に生きていくにあたって、大きなハンデになると思うんですよね。日常生活の中で、普通に見える行動や、普通の子なら言うことを常に強化し続けることは大切なことだと思います。

2013年9月18日水曜日

野菜ジュース

モキチさんは、基本的に野菜は食べません。ですが、野菜ジュースは大好きです。

ちなみに、偏食についてはあまり優先順位は高くしていません。
好き嫌いが無いことは素晴らしいことだとは思いますが、嫌いな物を無理やり食べさせることはできませんし、ある程度バランス良く栄養を採っていて、健康なら良いかなと。

幸いにもモキチさんは健康で、3年間で風邪を引いたのは3回くらいですし、吐いたのも2,3回です。ありがたい話です。

野菜ジュースはそれなりに魅力的らしく、お風呂が嫌いなのですが、お風呂に行くと野菜ジュースを飲めるというルールにしたところ、今では、冷蔵庫から野菜ジュースを取り出すと、「お風呂いこー」と、自らお風呂に移動してくれるようになりました。たまに、「いけないよー」と小声でつぶやいてたりしますが、、、

所詮はジュースなので、そんなに健康なものでもないとは思いますが、砂糖タップリのジュースを与えることよりは親としても罪悪感が少ないという点では、まぁ、ありかなとは思います。

2013年9月16日月曜日

死人テスト

なんじゃそりゃって感じですが、死人テストとは、行動分析学において行動とは何かを考えるときにとても分かりやすい判断基準です。ABAを行うにあたって、行動とは何か?というのは非常に重要なので、押さえておきましょう。

行動=死人にはできないもの 

と考えるのが死人テストです。

例えば、

  • 歩く=死人にはできない=行動
  • じっとしている=死人もじっとしている=行動じゃない
  • しゃべる=死人にはできない=行動
  • 考える=死人にはできない=行動

といった感じです。非常に分かりやすいですね。
では、「朝時間通りに起きられない」というのは行動でしょうか?

死人も朝起きられないので、行動ではありません。
逆に、「朝時間通りに起きる」は行動です。

行動分析学では、「朝時間通りに起きる」という行動に着目し、その行動を制御するという考え方をとります。起きられないことに罰を与えるのではなく、「起きる」という行動に好子を与えるなりして強化するということですね。

この辺りの、行動とは何か?ということは、以下の本に詳しく書いてあったりします。
ABAを適用する際には、行動とは何か?という点が出発点になりますので、このあたりはしっかりと理解しておきたいところです。

2013年9月14日土曜日

自閉症の子どもの指導法 子どもに適した教育のためのガイド

この本は以前紹介した、「自閉症へのABA」と同じ人が訳しており、けっこう読みやすいです。
内容としては、かなりあっさりしているのですが、学校や家庭で子供を教育するためのヒントがたくさん散りばめられています。

ガッツリと理論を学びたい人にとっては物足りなくなると思いますが、自閉症児のいるクラスを担当している教師などが読むと、いろいろと参考になるのではないかと思います。他の本で理論などをひと通り押さえてから読むと良いでしょう。

解決できない問題があって行き詰ったときには、この本を読んでみると得るものがあるかもしれません。

2013年9月12日木曜日

3文字の壁

モキチさんは、3文字以上の言葉を言うのが苦手なようです。

4文字の先生の名前は良く言い間違えています。最近は、こちらが訂正すると真似して言い直すようになったのですが、3文字づつ区切って言い直してあげるとうまく言えることが多いです。
シェイピングの一種ですね。

毎朝、車に乗っているときに練習させているのですが、時には2文字づつ区切ったり、4文字で区切ったりと、いろいろバリエーションを交えるのが良いと思います。
モキチさんも区切る場所が変わるのが楽しいみたいで、時々爆笑しています。

実は、ADHD、要するに他動の子供にたいしてワーキング・メモリー・トレーニングが有効という話があるんですね。モキチさんが3文字以上の言葉をなかなかうまく言えないのも、ワーキング・メモリーに関連しているのではないかと思っています。

ワーキング・メモリーとは、一時的に情報を蓄えて、操作する領域です。

3文字の言葉を発するということは、3つの文字・音を脳内に蓄えて、言葉として再構成することですから、ワーキング・メモリーの働きが重要なんですよね。モキチさんにとっては、4文字、5文字で区切られた言葉を覚えるだけで、ワーキング・メモリーのトレーニングになっているのではないかと思います。

モキチさんは、最近パズルが好きになってきたりと、ようやく、少し複雑な遊びを楽しめる段階に入ってきたので、遊びの中にワーキング・メモリーのトレーニングを取り入れていきたいと思います。

2013年9月11日水曜日

映画みたいな話

レアケースだとは思うのですが、こんなこともあるのですね。

ずっと喋ることができなかった少女が、11歳の時に、パソコンのキーを叩き始めて、、、、

まぁ、動画を見てください。

良く、こういったレアケースをもとに、「あきらめないで頑張れ」みたいなことを言う人がいるのですが、うまくいかないのは頑張りが足りないからだという発想につながりがちなので、自分はあんまり好きじゃなかったりします。

大切なのは、重度の自閉症で、たとえ発語が無いからといっても、いろいろ考え、コミュニケーションできずに苦しんでいる可能性があるという事を認識することだと思います。

 

2013年9月9日月曜日

野菜ゼリー

モキチさんはゼリーが好きです。

ゼリーは保存がききますし、1回の分量が少なくて済むので、好子として使い勝手の良いアイテムです。今は言えるようになったのでやっていませんが、「ちょうだい」と言えなかった時期にスプーンで1口ずつあげながら、ちょうだいの練習をしていました。

また、野菜を食べないモキチさんには野菜のゼリーをあげることによって、野菜を補充できている、、、気分に親がなれますw
甘すぎず、サイズもちょうど良いので、お勧めです。最近はお風呂上りに、このゼリーをスプーンを使って自分で食べています。ある程度細かくしてあげて、ふちのあるお皿に入れてあげると良いでしょう。

  

2013年9月8日日曜日

タイムアウト

タイムアウトとは、子供が不適切な行動をとった時に、「タイムアウトだよー」と宣言し、一定時間壁を向いて立たせたり、何も無い部屋に入れたりします。
アメリカでは割と一般的な方法のようです。
タイムアウトが普及しているのは、もしかすると、子供を叱って叩いたりするとすぐに虐待という扱いになってしまうという背景があるのかもしれません。

タイムアウトは子供を落ち着かせたり、好子を剥奪するという、負の弱化の要素もありますが、正の弱化(罰)の側面が強いので、攻撃行動などの優先度の高い行動についてのみ適用するのが良いでしょう。

子育てブログなんかを見ていると、「アメリカではタイムアウトがポピュラーなんですの、オホホ」と、少し悪いことをしたらすぐにタイムアウトを行っている例が見られるのですが、子供の行動をコントロールするに当たって、弱化をメインの手段にするのは個人的にはあまり賛成できません。効果があるだけに、乱用しないように注意すべきだと思います。

また、注意点としては、回避や逃避を目的とした問題行動に対しては適用できないということです。
例えば、授業を受けるのが退屈で暴れている生徒に対して、「廊下に立ってなさい」というのは意味がないことと一緒です。

ちなみに、モキチさんはまだいろいろと理解度が低いので、タイムアウトを試したことはありません。
そろそろこの枠組みも理解できそうな気はするんですけどね。

2013年9月6日金曜日

レスポンスコスト

レスポンスコストとは、負の弱化方法の1つです。

不適切な行動を起こしたときに、日ごろ手にしている好子を剥奪することで、行動を弱化するというものです。

学校で暴れたら、夜テレビを見れないとか、トークンを剥奪するとかですね。
時間差もありますし、トークンといった少し複雑な枠組みを利用することになるので、子供がそのあたりのルールをしっかりと理解できる必要があります。

モキチさんには、お風呂の後にゼリーを食べるという習慣があります。というか、苦労してそういうパターンを作り上げたのですが、最近またお風呂に入りたがらずに逃げ回るようになってしまいました。「お風呂入らなかったらゼリー無しだよ!」というのも時々試すのですが、正直あんまり機能しているように思えません。うーん、、、

2013年9月3日火曜日

不適切な行動を減らすには

モキチさんはかなり攻撃的です。

最近はちょっと減ってきましたが、握りこぶしで顔面を殴ってきたりします。
叱るのはいいけど、怒るのは良くないと言いますが、殴られたり噛まれたりすると、ついついキレてしまうときがあります。
子供相手に大人気ないとは思うのですが、、、

気持ちにゆとりをもって、大人の対応をしたいものです。

他傷行為等の不適切な行動を減らすにに嫌子の提示による弱化(正の弱化)、要するに罰を与えることが考えられますが、正の弱化にはいろいろと問題点があります。
  • 攻撃行動や他の情動行動を引き起こすこと
  • 回避や逃避を助長すること
  • 使用する側の罰を与える行動が強化され、結果として弱化が必要以上に使用されやすいこと
などです。

ちなみに、モキチさんを怒鳴っても、叩いても、あまり効果はありません。
叩かれることが嫌子として機能していない気がします。
こちらに後味の悪さが残るだけだったりします。(最近、怒ると、「コワイー」と言って逃げるようになってきたので、ようやく理解してきたのかもしれません。)

そこで、消去や、負の弱化、代替行動の強化を用いることになります。
消去というのは、暴力行為に応えずに、得るものがないと分からせることですね。
負の弱化は、こちら側が積極的に好子を取り上げるものです。
代替行動の強化は、暴力ではなくて他の手段で要求する行動を強化してあげることです。

その他にも、弱化の手法としてはレスポンス・コストやタイムアウトといったものがあります。
これらの手法についてもそのうち説明したいと思います。

2013年8月31日土曜日

あし!

少し汚い話です。お食事中の方は回避してください。

モキチさんはまだオムツをしています。
最近は、ウ○チがでたらアピールしてトイレでオムツ交換するようになったのですが、その日は何故か黙っていて、うちらもしばらく気づきませんでした。

その後、いきなり「ウンチデテタ!」と言ったので、トイレでオムツを交換することに。その際、トイレに投入されたウンチを見たモキチさんが、言ったのでした。

「あし!」

確かに先端部分が幾つかにひび割れていて指の形を形成しており、足にそっくりではありませんか。ウンチを他の物に見立てるなんて、なかなかレベル高いなぁとしばし感心したのでした。

あと、もう1点教訓です。
しばらく放置されたウンチは水分をオムツに吸われて固くなっているので、なるべく流れやすい形に整形してから投入しましょう。足型のものは、流されまいと踏ん張っていて、水を3回流してようやく流れました、、、

道路を安全に歩かせる練習

モキチさんはなかなか手をつないで歩きません。
初めて手をつないで歩いたのは2歳の誕生日でした。

最近は以前よりだいぶ手をつないでくれるようにはなったのですが、基本的には蛇行しながらダッシュしてどこかに行ってしまいます。
車道に飛びでるし、向かってくる自転車にも突っ込んでいきます。
普通に親の隣を歩いてくれるようになるだけで、だいぶ楽になるんですけどね、、、

手をつないで歩く練習もしていますが、安全第一ということで、歩道の切れ目や信号の手前で止まることを教えています。完全ではないですが、少し止まれるようになって来ました。

信号の手前で止まらせるケースにおいては、こちら側で好子をコントロールできるので比較的容易に教えることができますが、道を走ることを止めさせるのは少し難易度が高いです。
何故かというと、走ること自体が楽しかったり、走ることによって目的地に近づくことが好子として働き、強化されやすいからです。自己刺激的な行動ということですね。

好子を除去するという意味では、走り始めた場所まで子供を戻して歩かせるという方法があります。その他、走っていない時に褒めてあげること(DRO)や、過剰修正法と呼ばれる方法が効果的です。

試したことはありませんが、タイマーで時間を区切って、走らなかったら褒めてあげる等の練習もあるみたいです。

過剰修正法についてはそのうち記事にします。

2013年8月30日金曜日

ABAの観点から会社の給与の仕組みを考えてみる

たまには子育てとは関係ない話題を。

ABAは障害をもった子供に有用なだけではなく、定形の子供にも有用なことは以前述べましたが、もちろん、子供だけではなく大人にも有用です。

具体的な適用例としては、家事をしない夫にたいして家事をさせるとか、遅刻する新入社員を教育するといった例があげられるでしょう。

一応営業部門に属するワタクシとしては、コミッション、営業報酬の制度(の問題点)についてABAの観点から考えてみたいと思います。

1.契約を獲得するプロセスではなく、結果に対して報酬が支払われている
一般的な営業報酬の制度は、契約がとれたら、それに応じて営業報酬が支払われる仕組みだと思います。契約が取れるかどうかは、確かに重要ではありますが、相手のあることですし、結果よりも正しい行動を行っていたかどうかのほうが重要なはずです。すばらしい働きをしたのに、成約しなかったり、たいして働いていないのに契約がとれてしまうと、強化子としての報酬の役割が機能しなくなってしまいます。

2.好子(お金)が支払われるまでにタイムラグがある
一般的に、営業報酬の支払いは、4半期に1度だったり、半年に1度だったりします。行動を強化するにあたって、即時に強化することは非常に重要です。報酬の支払いが遅れると、行動と報酬との関連が薄れ、正しい行動が強化されにくくなります。支払いまでの期間をできるだけ短くするか、トークン・エコノミーを取り入れる必要があります。

3.トークンの仕組みが不明瞭、不公平
契約が取れた瞬間に報酬を支払うのは難しいですから、実際にはトークンの仕組みが採用されているケースがほとんどだと思います。契約金額がクレジットされてノルマを達成したら報酬が支払われるという仕組みもトークン・エコノミーのひとつといって良いでしょう。ここで問題になってくるのは、ノルマが変更されたり、トークンが剥奪されたりするケースがあることです。トークン・エコノミーは信頼関係と一貫性の上に成り立っているシステムですから、このようなことがあると一気にやる気をなくしてしまいます。

以上が、ぱっと思いついた営業報酬制度の問題点です。
その他にも、社員の良い行動を増やすという観点では、
  • そもそも会社にとってプラスの行いをしても評価しない
  • 成績の上がらない社員に対して、圧力をかけるなど、合理的でない管理手法を用いている
といった問題点があるケースもあるでしょう。
あ、特定の会社を念頭においているわけじゃないですからね、、、

2013年8月29日木曜日

トークン・エコノミー

ABAには、トークン・エコノミーという手法があります。
分かりやすく言うと、ポイント・システムみたいなものです。
というか、ポイント・システムがトークン・エコノミーの例ということですね。

強化したい行動に対して、トークン(たとえばシール)を与えます。
そのシールがたまったら、ご褒美をあげます。

食べ物などの好子を与えるのは時と場所を選びますが、トークンならいつでもその場で与えられます。また、トークン自体が好きな訳ではないので好子として飽和化しにくいという利点もあります。

トークン・エコノミーを使うには、子供がトークンに関するルールをきちんと理解できる必要があります。モキチさんにはまだ早いかなぁ、、、

ちなみに、今モキチが通っているプレ幼稚園と療育では、出席のときにシールをもらってノートに貼ります。
あれ、たまったら何かくれるのでしょうか?
単純にシール自体が好子って位置づけなんでしょうかね。今度聞いてみよう。

2013年8月28日水曜日

自閉症を克服する―行動分析で子どもの人生が変わる

この本はひじょーに良い本だと思います。

各章ごとに、言葉や行動など、様々なカテゴリー・ケースでの対策も書いてあれば、
実際の体験談なども書いてあります。どう対応をとればよいのか参考になるだけではなく、実際に適切に介入して自閉症であることが分からないくらいに改善した例を知ることにより、親として希望を持てる点も良いと思います。

電車の中で読んでいたのですが、涙腺が崩壊することが何度もありました。
武蔵野線で自閉症の本読んで泣いてた人がいたら私ですw

自閉症の子供をもつ親にぜひお勧めしたい1冊です。ABAの理論などは細かくは書いていないので、理論を別の本で押さえてから読むとより参考になります。

ただ、ものすごく改善した例を見ても分かる通り、どちらかと言えば「レベルの高い」話が多いのも事実です。学校に関しても統合教育であるべきだと強く主張しており、この辺は価値観の違う人にはあわないでしょう。この本に限ったことではないのですが、一言で自閉症と言っても幅はものすごく広いので、自分にとって適切な内容を取り扱った本を読んだり、必要な部分だけ読むという事も重要だと思います。
 

2013年8月26日月曜日

子供を切り替えさえる方法をまとめてみた

今回は長文です。

子供にとって楽しいことを終わらせて次の行動に移るのはなかなか難しいことですよね。
特に自閉症児にとって切り替えは鬼門で、うまく切り替えられずにパニックを起こして親も憂鬱な気分になることもしばしばです。

切り替えを促す手法をまとめてみたいと思います。順番は特に意味はありません。


1.前もって予定を伝えてあげる。(プライミング)
予定を伝えておくことは非常に効果があります。前の日から伝えておくのも良いですし、最後の1回になった時に必ず「これで終わりだからね」と教えておいてあげましょう。

2.視覚的に次の行動を提示する
言葉で次は~だよと言っても伝わらないケースがあるので、次の行動を理解できるように視覚的にアシストしてあげましょう。移動する場所の写真を見せるのも良いですし、次の場所で使用するアイテムを見せてあげるのも良いでしょう。

3.次の行動を行うと好子に変化するアイテムを提示する
2の応用なのですが、提示するアイテムが行動を起こすと好子になるようなアイテムを提示します。わかりやすく言うと、お風呂で水遊びが好きな子供に、水遊びのオモチャを渡してあげる事です。オモチャをお風呂場に持っていけば遊べますから行動を起こしやすくなります。単におやつなどで釣るよりも良い方法でしょう。

4.選択肢を与えてあげる
大人に都合の良い、選択肢を与えてあげて、自発的に選択させることも有効です。例えば、外出する時に靴を選ばせたり、野菜を食べさせたい時に、2種類の野菜の中から選択させたりすることですね。

5.カウントダウンする
これも非常に有効な方法です。次のスケジュールに移る際に、10からカウントダウンして、ゼロになったら有無を言わせず終了します。
大事なのは一貫性です。
そのうち、ゼロになったら終わるんだなと理解して、ゼロになる前に、やめるようになります。
療育でオモチャ遊びからカウントダウンしてお片づけするというプログラムがあるのですが、モキチさんはゼロになる前に「おかたづけ~」と歌い出したりします。

6.プレマックの原理を利用する
以前記事にしましたが、高頻度の行動に低頻度の行動を組み合わせることも非常に有効です。ビデオをやめてお風呂に入らせたい時に、「次お風呂ね!」と言うよりも「お風呂入ってゼリー食べようよ!」と言ったほうがうまくいく可能性は高いです。その際に、「お風呂入らないとゼリーあげないからね!」と言ってしまいがちですが、なるべく肯定的な表現を使いましょう。

7.遊びの要素を取り入れる
これは説明するのが難しいのですが、切り替えや移動などに遊びの要素を取り入れるとうまく行くケースがあります。モキチさん、こちらが「あっ」というと、こっちを見てニヤリとして「あっ」と言って来ます。そうするとお風呂まで行進する遊びのスタートです。トコトコ歩くと後ろをトコトコついてきてそのままお風呂まで移動します。楽しく行動できるルーティンをつくり上げることがポイントです。

いずれの場合においても、うまく切り替えができた場合にはきちんと褒めてあげる事が重要です。忘れずに褒めてあげましょう。

まぁ、これだけいろいろやっていても、上手くいかないことが多いのですけどね、、、

2013年8月24日土曜日

プライミング

プライミングとは、学習内容や行動について前もって情報を与えておくことです。

前の日の夜に、明日はどこに行って、何をするのかを説明しておくこともそうですし、
次の日の授業の内容を予習することなどもプライミングの一種です。

多くの自閉症児は、環境の変化や、予定の変更に対して不安を感じたり、パニックを起こしたりします。プライミングを行うことによって、それらを予防することができますし、授業についていくことが厳しい子も授業についていくことができるなど、集団生活をスムーズに行うにあたっても有効です。

モキチさんも、
明日は幼稚園だからね!とか、
アンパンマンはこれで最後だから、次はお風呂入ってゼリー食べようね!とか、
実際に行動に移る前に情報をあらかじめしつこいくらいに与えておくことでスムーズに次の予定に移ることができる率が格段に上がります。

切り替えの難しさは、これくらいの年齢の子には良くあることですね。他にもカウントダウンや、視覚的な補助など有効な手段が幾つかありますのでまた別の記事でまとめてみたいと思います。

2013年8月23日金曜日

でででででー

モキチさん、最近、「でででででー」と大声で叫びながら走り回ります。
朝起きて叫ぶケースもありますが、確実に叫ぶのが朝家を出た後のマンションの廊下と、駐車場に出たときです。隣のマンションまで響き渡る大声なので困っています。昨日はエレベーターの中で他に人がいるのに叫んでしまいました、、、
いつか老人をびっくりさせて殺してしまうのではないかと心配するレベルです。

特にお隣さんはいつも廊下側の窓を開けているので、大変申し訳ない、、、
挨拶に行ったときに、犬がいるのでうるさくてすみませんと言われたのですが、こちらのほうがはるかにうるさいです、、、ごめんなさい。

こういった自己刺激的な行動は基本的に、他行動や代替行動の分化強化で対応することになりますが、なかなか扱いが難しいのですよね。

最近は、さんざん叫んで車に乗った後、「でででダメー」とか言ってるので、ダメってことは認識しているようです。

あと一息ですかね、、、


2013年8月21日水曜日

シェイピング

以前、チェイニングを紹介しましたが、似たような手法でシェイピングというものがあります。

シェイピングとは、似たような行動を分化強化し、徐々に段階を踏んで目標としている行動に近づけていく方法です。分化強化とは、特定の行動のみ強化することを言います。

例えば、「おはよー」と言わせたいときに、いきなり言わせることはできないので、

まずは、
「おー」と言う行動を強化し、
次に、「おーあー」と言う行動を強化し、
最終的に、「おはよー」と言う行動を強化するようなイメージです。

前段階の行動を消去し、次のステップの行動を強化していくということですね。
シェイピングは、新しい行動を身につけさせるときに有効な手法です。発語の全くない自閉症の子供もシェイピングによって発語を会得できるケースがあるようです。

注意しなければならないのは、意図せずにシェイピングを行なって不適切な行動を身につけてしまうケースがあるということですね。

例えば、床に頭をぶつける自傷行為があったとします、基本的には無視(消去)で対応していたものの、ある時、机の角に頭をぶつけた場合に、つい対応してしまったとします。結果的に机の角に頭をぶつける行動を分化強化して、シェイピングと全く同じ状況になってしまいます。

子供が叫んで要求したりするのも同様の理由による場合があります。
このように、意図しないシェイピングによって不適切な行動がエスカレートしていくケースがあるので注意しましょう。

2013年8月20日火曜日

しまめー

モキチさん、最近、「しまめーしまめー」と良く言うので、なんだろね?ということになっていました。
答えは、アンパンマンに出てくる「白玉姫」でした。

白玉姫 > しらたまひめ > らた

とうことか、、、難易度高いなぁ。
こんな感じで、言葉の一部だけ切り取ったり、順番が逆になることが多いですね。
イルカをイクラといったりもします。

前にも書きましたが、今のところ発音とか言葉の間違いを大きな問題とは認識していません。
気になったときはこちらで正しい発音をしてあげて、正しく言えたら褒めてあげるくらいの感じで良いと思っています。それでも日々、発音が良くなったり、言えなかったことが言えるようになったりしています。

日々子供と格闘していると、どうしても問題点ばかりが目に付きますが、
こういう細かい進歩をちゃんと親が喜べる精神状態を保つことが、継続的に子供の課題に取り組んでいく上で重要かなと思います。

2013年8月19日月曜日

本をパタパタ

モキチさん、小さい頃から本を横にしてページを指で弾いてパタパタしてました。朝起きると決まってこれをやるので、うちらはこの行動を"朝のお勤め"と呼んでいました。

当時は面白がってましたが、いま考えると常同行動とよばれる自閉症の症状なんですね、、、
また、本を横向きにするのは何かしらの視覚異常があるのではないかと思います。
走るときも横を向いて走るし、電線なども顔を左右に揺らしながら目で追っています。

一度、物の見方がおかしいんですと、眼科に連れていったことがあるのですが、あんまり相手にされませんでした。

あれ、見る人が見たらピンと来ると思うんですよね。
眼科だったらそういうケースもたくさん経験していて、スムーズに発達外来を紹介してくる、、って訳じゃないようです。うちらは、特に何にも言われなかったからそこまで心配しなくて良いかなぁと思っちゃいましたが、あんまり良い対応じゃなかったですね。子供のものの見方が変だったら、単なる目の問題だと過小評価しない方が良いと思います。

子供に障害があるかもと疑っている時期は、親としては、問題ないはずだと思いたいので、どうしても大丈夫だという理由を探しがちになるものです。
目が合うから大丈夫だとか、クレーン現象が無いから大丈夫だとか、、、

医者は医者で、「あなたのお子さん、自閉症の疑いがあるから発達外来に行くべきです!」なんて言いづらいってのもあるんでしょうね。「視力は出てるし目は問題ありません。また何か心配があったら来てください」というのであれば少なくとも眼科としての役目は果たしていますし。

前にも書きましたが、早期に診断がおりて悪いことは何もありません。
おかしいなと思ったら、大丈夫な理由をネットで一生懸命探したり、Yahoo知恵袋にうちの子自閉症でしょうか?って質問をする前に、さっさと発達外来などに行きましょう。自分も散々ネット上の情報を見たので誰もが通る道なのかもしれませんが、、、「私の子もそうだったけど、今は立派に成長して大学に行ってます。」みたいな話をたくさん読んでも何の解決にもなりません。

2013年8月17日土曜日

声の大きさを調節する

モキチさん、最近は叫んで要求するようになってしまいました。
「あんぱんまんみるぅー」
「おししいぱんっ」
「ばななっじゅーすぅー」
などと、叫びます。それも耳がビリビリするほどの声の大きさです。

想像してみてください、
子供が口にする言葉は、ほとんど要求のみ、すべて叫び。
朝目が覚めたときから叫んで、要求、要求、要求。
考えただけでイライラしませんか?

しかも、要求が通らないと、泣き叫んで暴れたりするわけです。
そんな毎日でこちらのストレスもMAXです。まぁ、要求が通らない時にぐずるのは子供ですからある程度しかたないですかね。

というわけで、叫びではなく、小さな声で要求を伝えるように練習しています。
方法としては、いつもの通り。
  1. 叫んで要求したときは要求に応えない(消去)
  2. 小さな声で要求を伝えることを強化する(DRA)
の2点です。
もちろん自然に小さな声で要求することはないので、小さな声で言うまで根気強くプロンプトを与えます。まだ全然できていないのですが、まぁ、そのうち出来るようになるでしょう。つーかそろそろできるようになってくれないといろんな意味で厳しい。大きな音とか、恐怖とかに対して、人間は本能的に攻撃的に反応するのですよね。こどもに対して大声を出してはいけない理由の一つではあるのですが、この反応は大人でも生じます。モキチさんが叫ぶようになってから、うちらの気持ちもかなりすさんできた気がします。

このこととは別に、要求以外のことも話せるようにしていく必要がありますね。自分の要求しか言わない人には友達なんてできないですから、、、

2013年8月15日木曜日

2度目の診察を受けてきました

今日は5月に発達障害と診断されて以来の2度目の診察でした。モキチさんの成長について先生からけっこうポジティブな評価を頂いたので良かったです。療育の効果も早い段階で出ていて、非常に良い感じで伸びているとのこと。子育てのセンスあるとのコメントも頂きました。

今日先生と話をしていて、改めて思ったのは、こどもの様子がおかしいと思ったら早めに診察を受けることの重要性です。

早めに診察を受けて、早めに診断がついて悪いことは何もありません。数ヶ月の間、何も意識せずに生活しているのと、療育を受けたり、家庭で療育的な生活を送るのではかなり差がついてくると思います。

また、仮に将来的には問題が無くなるにも関わらず、その時点で発達障害と診断されてしまったとしても、それはある意味お得な話だと思うのですよね。療育や支援サービスを受ける権利をもらえるわけですから。診断名がつくのが嫌だからと検査を受けなかったり、嘘をついたりする人がいるらしいのですが、全く理解できません。

ちなみに、診察後はIKEAに行きました。
移動を拒否して絶叫したり、顔面バシバシ殴られて注目を浴びたりしましたが、食事やお風呂もなんとかすまし、まずまずの1日でした。ふー

2013年8月14日水曜日

テレビに近づくのをやめさせる方法

子供には良くあることだと思いますが、モキチさんはよく、テレビに近づきます。
好きなものに走って近づくといった、行動自体が好子に直結するものはやめさせるのは難しいケースもあるのですが、このケースについては割りと簡単です。なぜならテレビやビデオは消したり・止めたりできるからです。

テレビに近づいたら、テレビを消したり、ビデオを一時停止してみましょう。

A:テレビを見ている
B:テレビに近づく
C:テレビが消える

ということで、テレビに近づく行動の頻度が下がります。

うちでは、テレビから少し離れた距離に小さな椅子を置いており、椅子に座るとビデオの停止が解除されるシステムにしています。システムといっても、リモコンを操作するだけですが。「座って!」と言って、座ったら褒めてあげつつ、ビデオの再生を再開します。

A:テレビが消えている/ビデオが停止している
B:椅子に座る
C:テレビが見れる・褒めてもらえる

ということで、椅子に座る行動が強化されます。
昔は、テレビが消えると、テレビに近づいてバンバンたたいたり頭突きしたりしていたのですが、最近では「アンパンマンみるー」と叫びながらも椅子に座るようになりました。座ればいつでも見れると思っているので、それはそれで難しいところなのですが、、、

あとは、座って見れている時にきちんと褒めてあげる事も重要ですね。不適切な行動を減らすよりも、良い行動を褒める意識を常に持っておく必要があります。そういった意味では、この記事のタイトルが「やめさせる方法」というのは良くないのかもしれません。

椅子に座ってもテレビが見れないと混乱するので、テレビを見せたく無い時間帯は椅子をどかしておくってのもありかもしれません。構造化の1つですね。今度試してみます。 

この椅子がちょっと欲しい。
 

2013年8月13日火曜日

聴覚過敏について

以前にも少し書きましたが、自閉症の症状として、聴覚過敏というものがあります。

子供の声など特定の音に過敏に反応し、耳を塞いだりします。
幸いにもモキチにそのような行動はありませんが、普通の聴覚とはちょっと違うんだろうなあという行動があります。

遊んでいても飛行機や電車の音に妙に良く気づきますし、DSを直接耳にあて音を楽しんだりします。最近はほとんどやらなくなりましたが、1歳半のころ、菜箸で部屋中を叩いて回っていたのも音の刺激を楽しんでいたのかもしれません。

よくブラインドを菜箸でシャララーンとやる音で起こされたなあ、、、

最近はものすごい大きな声で叫ぶことに悩まされているのですが、引っ越してからなので、どうも声が反響する感じが楽しいのではないかと疑っています。朝から大声で叫びながら廊下を走り回っています。家を出るときも叫びまくるので、そろそろ周りの家の人も毎朝うるさいのがいるなと思い始めているに違いない。

こういった自己刺激行動をやめさせるのはなかなか難しいですね。菜箸でたたいたりするのもそのうち収まったので、早めの収束を期待したいところです。自己刺激行動をやめさせる方法についてはまた別の記事で書いてみたいと思います。

2013年8月12日月曜日

なぜ駄目な親になってしまうのか

ブログではえらそうにいろいろと書いていますが、最近悪い方向に向かっていると思います。
モキチさんがというよりも自分がです。

大声で叫んだりするモキチさんの行動に対して、不快感を覚えることが多く、褒めることよりも叱ることが増えてしまっていますし、力による手段に頼ってしまうケースも多いです。

ABA的には、適切な行動が強化されないのは、適切な行動をとった時に即結果が出ないからだと思われます。大きな時間軸でみて、忍耐強く接していればうまくいくケースでも、その瞬間その瞬間では、うまくいかないことが多いんですね。そうすると、一生懸命プロンプトを与えて、適切な行動をさせようとしても、失敗することのほうが多く、徐々につらくなって来ます。

一方、強制的な手段や暴力的な手段を用いた場合には、少なくともその場の状況を終わらせることができます。そうすると、こういった方法は強化されていくことになります。もう悪循環ですね。おそらく、子供を虐待してしまうのもこういった流れがエスカレートしていくのでしょう。

子供に対してABAが有効なように、親にとってもABAは有効です。
適切な対応をした際にちゃんと褒めてもらえるシステムを作る必要がありますかね。あとはトークン使って、不適切な行動をとらずに1日過ごせたら、何か自分にご褒美をあげるとか。
ちょっと考えないと行き詰ってしまう気がしてきています。

どこかでポジティブなスパイラルに変えていかなくてはいけないのでしょうが、なかなか難しいところです。

2013年8月10日土曜日

連続強化と部分強化

今日は連続強化部分強化というお話です。
個人的に非常に面白いと思ったトピックです。

行動に対して、好子(強化子)を毎回あげるのが連続強化、時々あげるのが、部分強化です

連続強化の方が行動が強化されそうなのは直感的に分かりますが、実は、部分強化には、好子が無くても行動が減りにくいという特性(消去抵抗が大きいと言います)があります。ギャンブルがなかなかやめられないのはこのためです。

新しい行動を早く覚えさせたい時は連続強化、できるようになってから行動を定着させたい場合には部分強化を使うというのが基本的な使い分けになります。

また、強化されていた行動が消失していくことを消去と呼びますが、その際に行動が増大することがあります。
これを消去バーストと言います。これらのことを頭に入れておくことは非常に重要です。

例えばジュースが欲しくて暴力を振るうようになったモキチさんにジュースをあげてしまったケースを考えてみましょう。
普段は、なんとか断っているのですが、時々面倒になってジュースを上げてしまう場合には、部分強化になっているということです。その場合、次回以降ジュースをあげなくてもなかなか暴力は減らないということになります。さらに、もう暴力に屈さず、ジュースをあげないことにした場合、モキチさんの暴力がしばらくの間エスカレートすることもあるでしょう。これが消去バーストです。

ABAの理論を学んでおけば、暴力に屈してジュースをあげるという対応をとることも無いでしょうし、ジュースをあげなくて場合に暴力がエスカレートした際にも、「あー、これが消去バーストか」と、落ち着いて対応することが可能です。暴力ではなく、パニックの場合にも同様です。

2013年8月9日金曜日

発音

モキチさん、なんというか、発音がネイティブっぽいです。

言葉発音
黒薔薇女王こぅばぁじょぉー
ドクターイエローだぁくたえろー
ヨーグルトだぁーどぅっど
お風呂あふろぉ
線路しぇんろん

こんな感じです。けっこうアクセントが強めなのが日本語っぽくない理由かもしれません。一度理解すれば、何を言いたいかはだいたい分かりますが、新しく登場した言葉で苦労することがあります。

先日、「ベケコ!ベケコ!」と叫びながら冷蔵庫に頭突きをしていたのですが、意味がわかりませんでした。ジャガリコ説とかいろいろな説があったのですが、どうやら冷蔵庫のことを言っているようです。冷蔵庫をあけてくれという意味だったのでしょうか、、、今となっては知るよしもありません。

モキチさんはまだ小さいですし、1日で突然発音が良くなったりするので、正直、現時点ではそんなに積極的にこちらから発音を治そうとは思っていませんが、発音を修正するのにもABAは有効です。
基本的には、分化強化、つまり、正しい発音の場合だけ強化してあげて、間違った発音の時は消去するという手法でOKです。うまくいえない場合には、プロンプトですね。この辺は基本です。

2013年8月7日水曜日

良い好子について

好子は、時と場合によって柔軟に変更する必要があります。

たとえば、パンが好きでもお腹がいっぱいだったら、好子として機能しませんし、同じ好子ばかり使っていると効果が薄れてきます(飽和化)。

そこで、普段から子供の様子を良く見て、好子になるものをストックしておくのが良いでしょう。
また、強力な好子は出し惜しみしたりローテーションしたりして飽和化しないように気をつけましょう。

好子の例としては次のようなものがあげられます。
1回あたりのコストが低く、少しずつ繰り返しあげられるものが使い勝手が良いですね。
モキチさんにジュースをあげると一気飲みしてしまいます、、、
  • パン、海苔、クッキー、ヨーグルト、ジュースなどの食べ物、飲み物
  • 褒めてあげる、笑顔、ハイタッチをするなどの親の反応
  • ゲーム機、ビデオ、おもちゃなど
お勧めの好子が見つかったらこのブログでも随時紹介していきたいと思います。

2013年8月6日火曜日

かして!

療育施設が月に2回開放されており、オモチャで自由に遊べるということで行って来ました。
冷房もがっつり効いていて、ありがたい企画です。

モキチさん、電車で遊んでいる子の近くに近寄り、

モキチ:「かして!」
男の子:「...」
モキチ:「どぉーぞ!」
男の子:「...」
モキチ:「ありとぉー!」 ←ありがとうのつもり
男の子:「...」

そして、電車を奪っていったのでした、、、
酷い、ひどすぎるよモキチ、、、

まぁ、おもちゃを貸し借りするシチュエーションで使う言葉だということは分かっているようなので良しとします。隣にいたお母さんも笑っていたので。

こういうったことは結構多くて、
一人で「すわって!」と言って座ったり、何かものを持ってきてくれて「ありとぉー」と自分で言って去っていったりすることもしばしばです。

まぁ、言葉は増えているので良しとします。何事もプラスに考えましょう。

2013年8月5日月曜日

プレマックの原理

プレマックの原理とは、高頻度の行動に低頻度の行動を伴わせることによって低頻度の行動を強化することを言います。

wikipediaには、
Premack's principle, or the relativity theory of reinforcement, states that more probable behaviors will reinforce less probable behaviors.
と書いてありました。

高頻度の行動を好子として利用していることになりますね。

もう少し分かりやすい例で考えてみましょう。例えば、夜テレビを見る習慣がある子供に対して、テレビを見る前には宿題をしなくてはいけないというルールを適用することで、宿題をすることを習慣化することができるということです。

モキチさんはゼリーを食べるのが大好きだったのですが、一方で、お風呂を嫌がって暴れたりして非常に苦労していました。
そこで、お風呂の後に毎回ゼリーをあげることにしました。それ以外の場面では基本的にゼリーは食べられません。その結果、お風呂に入ることの抵抗がだいぶ無くなってきたようです。先日は「ゼリーちょうだい!」と言ったときに「お風呂が先ね」と言うと自らお風呂に向かって行きました。(それとは別に、そもそもお風呂に入ってくれるようにお菓子で釣ったり、これまでいろいろやってます。)

「ゲームするなら宿題終わってからね!」とか、無意識に使っている方法ではありますが、こういった原理を意識して使えるかどうかでだいぶ変わってくるとおもいます。1日の行動を子供が好んでするものと、嫌がるものに分類し、両者をうまく組み合わせることでスムーズに生活が送れるように工夫してみましょう。

2013年8月4日日曜日

自傷行為への対応

さて、具体的な自傷行為への対応を考えて見ましょう。基本的にはパニックへの対応と同じです。

まず、怪我をしないことが第一ですので、腕をかむ場合には長袖の服を着せたり、激しく床に頭をぶつける場合には、やわらかい場所に移動させましょう。ヘルメット等を用いるケースもあるようです。
そして、基本的には消去で対応します。過度に対応せず、落ち着くのをまって、優しい言葉をかけるなりしてあげましょう(DRO)。

また、頭をぶつけること自体が刺激(好子)となっているケースもありますので、そのような場合には、ぶつける場所にクッションを置くなどして、刺激が発生しないようにすることも重要です。

この間モキチさんがトイレに入りたかったみたいで、扉に頭を打ち付けていたのですが、そこまで激しくなかったので無視していたらやがてあきらめて帰ってきました。

パニックや自傷行為に対する対応はABAに関する知識があるか無いかで180度変わってきます。自傷行為がエスカレートして骨折や失明をするケースもあるようなので適切に対応しましょう。

2013年8月2日金曜日

オイシイパン

モキチさんはかなりの偏食です。

主食は「オイシイパン」ことスナックパンです。
http://www.pasco-snackpan.jp/

その他、最近進んで口にするものとしては、

  • おばあちゃんの作ったハンバーグ
  • 稲荷寿司
  • バナナ
  • パイナップル
  • 牛乳
  • ゼリー
  • ジュース
  • 甘いヨーグルト

くらいでしょうか。甘いものばかりですね。正直、偏食がどうこうとか言ってられるレベルじゃないので、現時点では、食事が偏っているくらい良しとしています。食べられるものが増えて欲しいとは思っていますので、いろいろとチャレンジはしていますが。

最近、突然、「オイシイパン!」と言うので、さっき食べたばかりじゃねーかと思ったのですが、どうやら食パンマンのことをオイシイパンと呼んでいるらしい。
食べ物の認識なのか、、、かわいそうに。

ちなみに、車に乗っていて、ヤマザキのトラックを見ても「オイシイパン!」と叫びます。

2013年8月1日木曜日

消去と負の弱化の違い

消去負の弱化は両方とも行動を減らすものですが、混同しやすいので整理しておきます。

消去:これまで提示されていた好子を提示しないことによって行動を減らすこと
負の弱化:好子を取り上げることにより行動を減らすこと

となります。

具体例としては、子供がパニックを起こしても無視をするのが消去で、パニックを起こしたらテレビを見せないからね!というのが負の弱化です。

テンプル・グランディンの本では、学校でパニックを起こすと親に連絡が行って、夜テレビを見れなくなるのでパニックを止めたと書いてありましたが、モキチさんはまだ、理解力が低いので、こういった時間差のある方法だと難しそうです。

基本的には消去で対応し、場合によっては、ビデオを消すなど、その場で行える方法で対応するのが良さそうです。

2013年7月31日水曜日

支援サービスの利用 その2

モキチさん、その後もかなりのハイペースで支援サービスを利用しています。週4,5回でしょうか。
幸いにも会社から5分くらいの距離なので、朝、車で送ってから出社しています。車通勤できる環境なのも本当に助かっています。

最初は、「こわいー」と泣いていたのを置いてきたので大丈夫かなと思っていたのですが、楽しく遊んでいるようです。公園とかにも行っているらしい、、、どうやって連れてってんだろ。

夏休みに入ってけっこう大きな子供たちがたくさんいるので良い刺激になっているのかもしれません。日中発散できているせいか、夜もあんまり荒れることが無くなった気もします。

あずけられている子供たちは、いつも玄関から飛び出てくる元気な男の子もいれば、ダウン症の子もいたりと様々です。ダウン症の子は本当に穏やかで優しいですね。今朝もモキチさんのかばんを男の子が持ってくれたりしました。

先日は、「会社行くね、ばいばいー」と手を振ってたら、ちょうど車にのってやってきたダウン症の女の子4人くらいがみんなで手を振ってくれて、なんだか不思議な気分で出社しました。

最近はダウン症の人と接することも多くなってきたこともあり、出生前診断のニュースとか見ると、いろいろと複雑な気持ちにはなりますね、、、、

この辺はまた別途考えてみたいと思います。

2013年7月28日日曜日

行動分析学入門

行動分析学について書かれた本。

行動とは何か、行動随伴性とは何か?
行動分析学の基礎についてわかりやすく、ユーモアを交えて説明されています。

新書サイズで、ページ数もそれほどないのでさらっと読めますが、内容としては結構深いことが書いてあります。

ABAを実践するにあたっては、個々の場面でどのように手を打つかを学習するのももちろん重要なのですが、基本的な理論をしっかりと学んでおくことが重要です。

パニックを起こしたときに無視をすれば良いという表面的な理解ではダメということですね。この本を読んでおけばとりあえず基本的なところは押さえることが可能です。

行動分析学の最初の1冊としてお勧めです。

2013年7月26日金曜日

自傷行為は打ち出の小槌

自閉症児で問題となる行動で、自傷行為というものがあります。
具体的には、壁や床に頭を打ち付けたり、自分の腕を噛んだりします。

モキチさんも、電気を付けたい場合に壁に頭を打ち付けたり、冷蔵庫を開けたいときに冷蔵庫に頭を打ち付けたりします。

壁に頭を強烈に打ち付けていたら、親としてはついつい対応してしまいますよね。
ですが、ABA的に考えれば、その対応がまずいということがわかります。

A:部屋が暗い
B:壁に頭を打ち付ける
C:親が駆けつけて電気をつけてくれる

親が対応することによって自傷行為は強化されます。
しかも、子供に怪我をされては困るということで即時、毎回対応するので、強化の度合いも強いのです。

自傷行為は打ち出の小槌なんですね。
オイラだって、壁に頭を打ち付けて給料が増えるならガンガン打ち付けるってもんです。
でも、なんで打ち付けないかというと、そんなことで給料が増えないと理解しているからです。

子供にも、壁に頭を打ち付けても何も得るものがないということを理解させる必要があります。
具体的な対応についてはまた別の回に書きたいと思います。

2013年7月23日火曜日

すぐに褒める

行動を強化するには、好子を行動の直後に提示してあげる必要があります(即時強化)。
60秒ルールというものがあって、60秒以内に好子を提示するのが良いようです。

今日は頑張ったねと、夕飯を豪華にするよりも、頑張った直後に誉めてあげるほうが良いということですね。

以前書いた、チェイニングの話で、バックワード・チェイニングを勧めたのもこの理由からです。最後の動作が終わったタイミングですぐに褒めてあげることができます。

特に自閉症の子供は、なぜ誉められているかというコンテキストを理解する能力が低いので、意図しない行動を強化しないように気をつけましょう。

ちょっと違う話かもしれませんが、海外のレストランでは、チップが多かった場合に、自分のどの行動が評価されたかを把握できるんですかね?

最後の会計のときにチップを払うのではなく、良いサービスを受けたと思ったときにポイントを与えるような仕組みにしたら、もう少しまともな接客になるのではないかという気がします。まぁ、そもそもチップの価格が、サービスの質に適切に連動しているかどうか怪しいところですが、、、

2013年7月21日日曜日

なぜ自閉症にABAが有効なのか

自閉症児の一番の問題はコミュニケーションの能力が自然に強化されないことだと思います。

普通ですと、かなり小さい段階で母親と目があったら嬉しかったりして、自然にコミュニケーション能力が強化されていきますが、自閉症児にそのようなことはありません。目を合わせることにが好子として作用しないのですね。手をひらひらさせるといった自己刺激に一日中没頭していて満足しちゃったりします。当然、コミュニケーション能力は伸びて行きません。

そこで、ABAを用いた、周りからの積極的な介入が必要になってくるわけです。アイコンタクトであるとか、物の要求の言葉だとかそういった本来あるべき行動に対して、お菓子などの好子として作用するアイテムを提示してあげることによってコミュニケーションを促し、できるだけ早期に正しい方向に導いてやることが後々大きな差になってくるのだと思います。

強化のプロセスが般化されれば、回復と呼べるレベルになるケースもあるのだと思います。

また、普通に生活していると、自閉症の子供はどうしても注意されることが多くなってしまうので、積極的に褒めてあげる必要があります。罰を与えることの効果が限定的であることを理解し、褒めてあげる事によって、子供だけでなく、親のストレスを軽減することができます。

個人的な意見としては、ABAを知ることによって、これで正しいと確信を持って行動できるようになったのが大きいですね。まぁ、実際には感情的になって正しく行動できないこともあるわけですが、指針があるのと無いのでは大違いです。

一方、ABAでは解決できないことがあることも事実です、例えば、視覚や聴覚の異常はそれに付随する行動はコントロールできても、本質的にはABAでどうこうできるものではありません。

そこで、感覚統合療法だったり、減感作療法の出番が来るということになるでしょう。

なぜ自閉症にABAなのかという10の理由を説明した記事がありました。良いこと書いてあります。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3196209/

Reason 2 :
Children with autism deserve ABA because some day their parents are going to die 

うーん、なかなか重いですな。

2013年7月20日土曜日

チェイニング - 靴を履く練習

前回お話したチェイニングの実際の例です。
靴を履くというプロセスは次のような要素で成り立っています。

  1. 玄関に座る
  2. 靴を近くに引き寄せる
  3. 靴に足のさきを入れる
  4. 靴のかかとを引っ張ってかかとを入れる
  5. テープでとめる
バックワード・チェイニングの場合には、まずは、かかとを入れる状態までやってあげて、テープでとめる部分だけやらせます。必要に応じて適切なプロンプトを出してあげましょう。
そして、できたらすぐに誉めてあげます。

バックワードで行うことによって、靴を履けた!という達成感を得やすいですし、自然なタイミングで好子も与えやすいことが分かっていただけたかと思います。

実際には、最後のステップが難しいという課題もあるでしょうから、その場合にはフォワードで行ったり、できる部分からやるという柔軟な対応は必要かと思います。基本的にはスモールステップを踏むということが重要かと思います。

モキチさん、とりあえずテープでとめるところは好きになってくれたみたいです。

2013年7月17日水曜日

チェイニング(行動連鎖)

チェイニングとは一連の複雑な行動を分解して、単純な行動の連鎖とみなして、一つずつできるようにしていく方法です。ABAの基本であるスモールステップの考え方の一つです。似たような用語でシェイピングというものがあります。これについては別の機会に記事にしたいと思います。

チェイニングには、最初のステップから最後のステップに向けて指導していくフォワード・チェイニング(順行連鎖)と、その逆のバックワード・チェイニング(逆行連鎖)の2種類があります。

達成感を味わいやすいのと、その直後に好子を自然な形で与えやすいので基本的にはバックワード・チェイニングを用いるのが良さそうです。すぐに誉める、これ大事です。

次回は具体例を書いてみたいと思います。

2013年7月16日火曜日

児童発達支援サービスの利用

モキチさんは現在、月曜日、水曜日はプレ幼稚園、金曜日は療育という生活を送っています。
夏になって幼稚園が終わってしまうことや、暑くて外で遊ぶのが厳しいので、家の近くの児童発達支援サービスを提供している施設を利用してみることにしました。

以下、サービスの説明に書かれていたコメントです。

障がいを持たれたお子様は、生活経験が未熟な年齢層である為、基本的動作の習得に保護者を含めた支援が必要です。また、知的障害という限定された障害としてではなく、広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群・注意欠陥多動性障害など)、特異的発達障害(学習障害など)として捉えた支援が必要であり、この様な障害に対しても十分な配慮をします。

 まぁ、その通りですね。時間的には8時半から18時のあいだでみてくれます。小学校が終わった後に数時間過ごす子も多いみたいです。まずは初日ということで、9時半から12時まで預けてみました。

もともとコンビニだったところを改装したらしく、部屋の大きさはコンビニそのものです。
スケジュールの視覚的な表示やロッカーなど最低限の構造化がなされている感じで、療育センターと同じ感じです。大きい子には掃除当番などがあるらしく、写真入りのパネルで割り当てが表示されていました。

朝行った時に先生2人が出迎えてくれましたが、この日は子供はモキチさん1人!贅沢な環境です。さすがにこどもの扱いにも慣れている感じで印象は良かったです。数分見ただけですが、おそらくABAなどに関する知識もちゃんとあるんじゃないかと思います。

モキチさんんはうちらが退散する際に少し不安そうにして引き止めたりしましたが、その後は切り替えて遊びモードに入ってました。お迎えはおじいちゃんに頼んだのですが、座って本を読んでもらっていたらしい。素晴らしい!この辺はプレ幼稚園や療育に行ってた成果もあると思います。連絡帳にこどもの様子もちゃんと書いてくれるのもありがたいですね。

ちなみに、知らない人のために説明しておきますと、障害福祉サービス受給証というのがありまして、それを持っていますと1割負担でサービスを受けることができます。朝から夕方までみてもらって千円程度なんですね。皆様の税金を使わせていただいて、ありがたい話です。

もし、こういった施設の利用に抵抗がある人がいましたら是非、利用をオススメします。通常の幼稚園や保育園よりも障がい児の扱いになれたスタッフがいますので、こどもにとってもプラスになることも多いでしょうし、家で1対1の厳しい消耗戦を繰り広げるよりは、週に1度でも2度でも、数時間こどもから離れてリフレッシュできれば、結果的にお互いにとって良いことだと思います。
あとは、利用者が少なすぎて、施設がなくなってしまうと困っちゃいますんで。

実家、プレ幼稚園、療育、支援サービスと、助けてくれる品揃えが徐々に充実して来て、負担が良い感じに分散されてきた感じがします。恵まれた環境と時代に感謝しなくてはいけませんね。ありがたや。

2013年7月15日月曜日

かわいいね~

モキチさん、花柄の鞄をみて、「かわいいね~」と言ってました。意味が分かっているのかは怪しいところですが。

それを聞いたヨメが、「お母さんは?」と聞きました。

モキチさんは、すかさず、「おうち!」

まぁ、正しいんだけどね、、、

2013年7月14日日曜日

自閉症へのABA入門


これは、非常によい本だと思います。

ABAの理論についてはあっさりとした記述ですが、強化子、チェイニング、シェイピングなど基本的な部分はちゃんとカバーされています。

そして、本書の売りはトイレ、アイコンタクト、靴の履き方の練習方法など、ABAの理論に基づいた、具体的な実践方法でしょう。ABAの入門書を読んだものの、結局どうすりゃいいの?という人にオススメです。

その他、自閉症児のきょうだいへの対応の仕方や、外出中に心ない言葉をかけられた際の対応法などについてもカバーされている点に感銘を受けました。

全体的に説明の分量が少なめな気はしますが、逆に非常に読みやすいので、ABAの本ってなんか小難しいなぁという印象を持たれている人が読む1冊としても良いでしょう。

タイトルはちょっとイマイチですね、、、


2013年7月12日金曜日

三語文

最近、三語文がでるようになって来ました。

「おとーさん、おみず、ちょーだい」とか言います。
水筒を投げまくっていたことに比べるとだいぶ進歩しましたね。

パターンがあまり増えないのが難点ですが、言葉のバリエーションを増やすよりはまずは最低限のコミュニケーションを取れるようになることが大事かなと思っています。

普段あまり意識していなくても、コミュニケーションっていろいろなレベルがありますよね。モキチさんはまだ一方的に要求を伝えることがほとんどです。相手の気持ちを察して話題を変えるなど、自閉症児にはそうとう難しいことなので、意識してトレーニングする必要がありそうです。まぁ、もう少し先の話ですね。

今読んでいる本には、適切な喋り方を教えることの大切さなどが書いてあり非常に参考になります。

2013年7月11日木曜日

あきらめないで! 自閉症 幼児編

あきらめないで!って真矢みきかよって突っ込みたくなるところです。
この本の主な内容としては、あきらめずに早期に療育(ロヴァース式のABA)をすれば自閉症→高機能自閉症になることもありますよ、というものだと思います。

目次は以下の通り。

第1章 自閉症って何だろう
第2章 わが子が自閉症かなと思ったら
第3章 乳幼児健診でどこまでわかるの?
第4章 自閉症と診断された…どうしたらいいの?
第5章 いろいろある自閉症療育法
第6章 個別療育に取り組もう
第7章 高機能自閉症をめぐって
第8章 「できるようになった」を増やそう
第9章 幼稚園(保育園)に通う際の注意点
第10章 お父さんにできること
第11章 小学校に入る前に準備しておくこと

前半は、自閉症に対する基礎知識から、日本の診断の現状、問題点などが中心です。
その後、TEACCHやABA,PECS果てはキレート療法等のいろいろな療育方法?について述べられ、後半は幼稚園や就学準備について書かれています。

基本的には家庭でのロヴァース式のABAを勧める本といって良いと思います。
頑張りすぎるなって書いてあるんですけど、ロヴァース式を家庭でやるのってかなり頑張らないとダメだと思うんですよね。その点でちょっと違和感を感じざるを得ません。しかも、あきらめないで!って言われるとしんどいよなぁと思ってしまいます。

ABAによって改善する例があるのは確かでしょうし、早期に問題を発見して療育に取り組むことの必要性はあると思います。なんかしっくりこないのは、自分が、「家庭でできるライトなABA」的な物を求めているからですかね、、、

よしっ気合入れて週40時間ABAやるぞ!という人にとっては良い本なのかもしれません。

2013年7月8日月曜日

リモコン取って!

モキチさん、テレビを見たいときによく切れます。
テレビを指差して、ものすごいでかい声で叫びます。

なので、最近はリモコンを持ってこさせるようにしています。これまた代替行動の分化強化ですね。

A:テレビがみたくなる
B:リモコンを持っていく
C:褒められて、テレビも見れる

という分かりやすい図式なので。リモコンを持ってくることはすぐにできるようになりました。最近は、あれ、「リモコンないねー」と言って探させてたりもしています。今のところ、「リモコン取って」と言うと持ってくる状態ですが、そのうち自分から持ってくることを期待しています。

こういったコミュニケーションをとれるようになってくるというのは素晴らしいことなのですが、一方でテレビを見せると、やめさせるときに一苦労というのもあるんですよね、、、果てしないなぁ。

2013年7月5日金曜日

エコーイック

エコーイックとは言語行動のひとつで音声模倣、ようするにオウム返しのことです。
自閉症の子供には音声模倣が多いのも特徴です。

モキチさんに、「好き?」と聞くと、「スキー」と言いますが、オイラが「そっか」、と返していたら。そこまで真似するようになってしまいました、、、

「おさるさんスキ?」
「スキー」
「そっか」
「そっか」

うーん。
まあ、重度の自閉症だと、エコーイックさえ無いので良しとするか。

言語行動という概念はなかなか面白いものだと思うので、またどこかで記事にしてみたいと思います。

2013年7月3日水曜日

自閉症の誤ったイメージ

自閉症って言葉をみると、おとなしくて、部屋に引きこもってそうなんですけど、実際の症状は千差万別なんですね。うちの子なんてむしろアドレナリン出まくってる感じがします。

Wikipediaにも以下のように記述されていました。

「自閉」という言葉から、他者とのかかわりを一切持たない、寡黙というイメージを連想することもあるが、実際の自閉症の場合は、一般的に恥ずかしいと思って秘密にするような事でも正直に話してしまうなど、むしろイメージ的には自閉とは逆の「自開」であるという人もいる。

モキチさんも、人と関わること自体は嫌いじゃ無さそうです。ですが、コミュニケーション能力には現状難がありますし、壁に頭を打ち付けたりする自傷行為もあります。おまけに、攻撃性も高くて、現時点でもけっこうな破壊力です。体が大きくなって手を付けられ無くなる前になんとかしないとまずいですね。

コミュニケーション・スキルを育てるのも重要ですが、これらの不適応行動をいかに減らしてくかが生活の質をあげるには必須です。

対象すべき課題について、優先順位をまとめておいたほうが良さそうです。

2013年7月2日火曜日

youtubeで繰り返し再生をする方法

自閉症児に限らないことかも知れませんが、子供って気に入った動画をひたすら見たがることがありますよね。youtubeには繰り返し再生の機能が無いので、動画が最後まで行った時にいちいち再生し直すのが面倒だったりします。

そんな時に役立つ技があります。

やり方は簡単、youtubeでお目当ての動画を見つけ、動画のURIのyoutube.comの部分をyoutuberepeat.comに変更するだけです。これだけで、繰り返し再生するサイトにリダイレクトされます。これ、考えた人頭良いなぁ、、、youtuberepeat.comのドメインを抑えておいたセンスに脱帽です。

そして、モキチさんが、繰り返しきいている曲はこちらです、、、
「俺は~」の部分だけ一緒に歌っております。

2013年7月1日月曜日

悪魔

自閉症の子供の多くが睡眠障害を抱えているようです。
幸いにもうちの子はよく寝てくれますが、それでも時々、夜中にパニックを起こすことがあります。

狂ったように泣き叫び、暴れまくり、立ち上がって襲いかかってくることもあります。
これが、トラウマになるレベルのすごさ。うちでは、悪魔と呼んでいます。
悪魔怖いよー
悪魔は30分程度で去っていくことが多いですね。

子供もそうですが、家族もちゃんと寝れないと、体力、気力的に厳しいですし、どこかで燃え尽きちゃうと思うんですよね。睡眠障害がある場合には、重点的に対応することをお勧めします。

対策としては、環境を念入りに整えたり、寝る時間を遅くするなどあるみたいですが、場合によっては薬を使うというのもありだと思います。

しばらく悪魔は現れていません。ありがたや~


2013年6月30日日曜日

オモチャを投げる行動を止めさせる

以前、オモチャを投げることについて書きましたが、今回は具体的な対策について書いてみたいと思います。

うちに木のレールと汽車?のオモチャがあるのですが、モキチさんは線路が壊れるとキレます。
そして、けっこうずっしりとした重さのある線路を投げます。基本的には何も無い方向に投げてくれるのですが、至近距離から顔や体に投げつけられることもあります。当然大丈夫ではなくて、アザができたりします。しかも、一度投げたら終わりではなく、何度も拾っては投げます。

環境調整という意味では、オモチャを別のものに変えてしまったり、線路が壊れないように固定してしまうという手段が考えられますが、あまり良い方法ではないですね。

ということで、ABA的に対策をとる必要があります。ポイントは以下の2点です。

  1. レールを投げつけられても線路を直さない(消去)
  2. 代替行動を教える(DRA)

まず、レールを投げられても絶対に線路を直しては行けません。そして、投げなくても線路を直してもらえるということを教えなくては行けません。具体的には、線路を渡してあげて、手で渡せるように何度も練習させます。当然、最初のうちは渡せずに投げつけてくるのですが、その度に拾ってこちらに渡せるようになるまで根気強く繰り返します。そして、うまく渡せたら線路を直してあげます。その時、笑顔で、褒めることを忘れないようにしましょう。

モキチさんはまだ完全にはできませんが、練習あるのみです。

ちなみに、こういう内容の記事を書いていると、いつも冷静に対処できているようですが、疲れて家に帰ってきて、ガンガン重い物を顔に投げつけられているとそういうわけにも行きません。冷静さと一貫性、そして根気強さが大事ということはわかっているのですけどね、、、

2013年6月28日金曜日

あれっと思ったこと

診断が出る前に、あれ、この子なんかおかしいなと思った点を思い返してみました。

  • 独り言が多い。
  • 痛みに強い。ものすごい勢いで転んでもめったに泣きません。
  • 本を読まずにひたすらパタパタページをめくる。
  • 目がなかなか合わない。
  • 人見知りしない。
  • ひたすら遠くに走っていく。
  • 横を見ながら走って電柱に激突する。
  • 体を左右に揺する。
  • 偏食。

そして、なにより大きかったのはコミュニケーションがとれてる感じがしなかったことです。欲しいものがある時に切れたりと意思表示はするようにはなったわけですが、なんと言うか一方的なのですよね。2歳くらいになるまで、うちのことを親と思っていたかも怪しい気がしています。

幼児はいろんな面で未発達ですから、定型のお子さんでも自閉症的な行動をとることも多いです。なので必要以上に心配する事はないと思いますが、あれ、ちょっとおかしいなと感じたら早めに対応することをオススメします。将来的に問題無かったとしても、療育を受けること自体悪いことではないですからね。

2013年6月26日水曜日

すずしいの~

モキチさん、扇風機が好きです。
回っている扇風機を何故か「すずしいの~」と呼んでます。

問題は、扇風機を止めるとキレてしまうこと。
「すずしいの~」と泣き叫んで、扇風機に噛み付きます。謎。

とりえあず、スイッチを入れて自分で回せるように教えたいと思っています。
「スイッチいれなよ」とスイッチを指差してあげると、自分でいれるときもあるのでもう一息かなぁ、、、

自閉症児は回るものが好きな傾向があるようですが、何故でしょうね。
視覚的な刺激が心地よいのでしょうか?
モキチさんも、扇風機、洗濯機などは大好きです。
そういや、小さいときにメリーがとまると泣いちゃって、ひたすら回すハメになって、電動にしときゃ良かったと思ったことがありました。

2013年6月25日火曜日

自閉症児のための絵で見る構造化

学校内、家庭内、職場などでの構造化の実際の様子をイラストで説明した本です。
構造化が有効なんだということは感覚的に理解していても実際どんなもんなの?という疑問が解消します。

正直、この本を読む前(読んでいる間も)は、あんまり構造化し過ぎると逆に社会に適応できなくなるんじゃないかなとか、
うちの子はそこまで構造化する必要ないんじゃないかなぁと思っていたのですが、巻末の佐々木氏によるまとめを読んで考えを新たにしました。

一般社会での適応を可能にするためにこそ、特別な配慮のある教育をするということなのですね。

本書の大部分は具体的な構造化の例になっており、構造化を行う際の参考になりますが、
それだけではなく、TEACCHの思想を理解できるという点で、お勧めできる本と言えます。

2013年6月22日土曜日

オモチャを投げる

モキチはアンパンマンのオモチャが好きだったのですが、電池が切れたり、モードが切り替わって自分の思っているのと違う反応だったりすると、何度も投げたり、壁にガンガン叩きつけたりして怒ってしまいました。

投げて壊されてしまってはたまらないので、慌てて対応していたわけですが、今考えるとそれによってますますモキチの行動は強化されていたんだなぁということがABAを勉強して分かりました。

もし、当時ABAの知識があったら、違う対応ができていたと思うのですよね。
まぁ、このケースはもう少し理解できるようになるまで、触らせないというのも正解だったかなぁという気もしますが、、、

子育てのスキルも数をこなすほど上達すると思うのですが、多くの人は何度も実践する機会が無いんですよね。幼児に対する対応方法がもう少し共有されていたら、子育ての負荷も軽減されるのではないかと思います。

一方で、幼稚園の先生という子育てのプロと言っていい人達の指導方法がものすごい素晴らしいものかというと、ちょっと疑問ではあります。ABAが全てとは言いませんが、個人的にはもう少し科学的なアプローチをとっても良いのではないかなという気がしています。

まぁ、いろんな考え方があるので、ABA的な考え方になじまない人もいるんだろうなぁとは思います。
おもちゃを貸してあげられるようになった子供に対して、「優しい心が育まれたから」と考えるか、「褒められることが好子として作用したから」と考えるか、この違いはかなり大きいのですよね、、、

この辺の価値観についてはまたどこかで考えてみたいと思います。

2013年6月20日木曜日

トウサンカイシャ!

モキチさん、うちらやおじいちゃんと遊べないときには、「トウサンカイシャ」、「オジイチャン、ネンネ」、などの言葉を呪文の様に繰り返して納得しているようです。

他にも、「カアサン、オウチ」や「トウサン、トウキョウ」というパターンもあります。
また、ジュースがもう飲めない時も、納得すると、「ジュース、からっぽ」と繰り返しています。納得するまでが大変だったりするのですが、空っぽになった容器を見せるとたいてい納得してくれます。

先ほど、象のぬいぐるみを取ってと頼んだら、「ぞ~うさん、ぞ~うさん」と歌い出したのですが、その次の歌詞が、「カイシャ!」でした、、、

無意識なのかもしれませんが、韻を踏む感覚みたいなものはあるんですかね。

2013年6月19日水曜日

早期集中介入型のABAについて

自閉症の子供に対して、早い段階で集中的なABAのトレーニングを行うことでで自閉症が劇的に改善するという考え方があります。早期集中介入法(Early Intensive Behavioral Intervention:EIBI)、通称ロヴァース法と呼ばれているものです。

具体的には2歳から3歳の早い段階で週に20-40時間のトレーニングを行います。
ABAのトレーニング自体には効果があるのは確かでしょうが、私はこの考え方に若干否定的な立場です。

これだけのトレーニングを行うことは、当然ながら子供にとってストレスになるでしょうし、子供だけでなく親への負担も相当なものです。セラピストを雇うにしても金銭的に厳しいでしょう。そして何より、ここまでやっても、自閉症の症状が完全になくなる訳ではないということです。

ある閾値を越えると”完治”するなら、やる価値はあると思いますが、そんな話は無いようですし、、、実際にはほとんど効果の無いケースもあるようです。

子供のために全力を尽くさないのか?っ言われちゃうと困っちゃいますが、親が燃え尽きちゃったら結果的に子供のためにならないと思うのですよね。

早期に療育を開始することが良いのは間違いないですが、長時間やればやるほど効果があり、40時間やらないと意味が無いという考え方には賛成できないということです。

また、机に向かってガッツリトレーニングをしても、それを日常生活に活かせなければ意味がありません。トレーニングに集中するよりは、日常のあらゆる場面で、療育的な意識をもって接することが大事なのではないかなぁと思います。

ということで、基本的にはTEACCHやABAの良いところを取り入れつつ、DTT的なトレーニングにとらわれずに継続可能な療育を行なって行こうと思います。
(この辺の考え方は人それぞれだと思います。ロヴァース式の療育にチャレンジされる親の意思を否定しているわけではありません。)

2013年6月17日月曜日

ゆっく~り

モキチさん、ドアをバタンバタン閉める楽しさに目覚めたようです。
部屋のドアをものすごい勢いでバターンと閉めたり、椅子に登ってつり戸棚の扉をバタンバタン閉めたりします。そして椅子からドスンと飛び降ります、、、、

そこで、バターンと閉めたらその後でゆっくり閉めなおさせて褒めてあげることにしました。
最初は、一緒にゆっくりとしめてあげます、その後はゆっくり閉めたときに褒めてあげます。
代替行動の分化強化(DRA)ってやつですね。

その結果どうなったかと言いますと、、、

扉を一度バタンと閉めてからもう一度開いて「ゆっく~り」と言いながらゆっくり閉めなおすというあまり意味のない状態になっております。

なかなか上手くいかないものですね、、、
まぁ、「ゆっくり」という言葉は覚えたっぽいので良しとしよう。

2013年6月16日日曜日

あぶな~い!

「危ない」って概念を理解するのはなかなか難しいようです。

モキチさんは、良く椅子の上に登って体を振っているのですが、
「危ないよ!」というと、笑顔で「あぶな~い」と言ってきます。
転びそうになったときも、笑顔で「あぶな~い」と言ってきます。道路で車が横を通った時もそうです。親の真似をしているので使用場面としては間違っていない気もしますが、楽しいものだと思っていそうです。

まぁ、自閉症云々というより、抽象的な概念を理解するのは子供にとっては難しいことなのだと思いますが、物の名前と違って、視覚で理解し難い分、自閉症児にとってはより困難が伴うのでしょう。

言葉とは関係無いのですが、道路に飛び出て行ったり、危険を察知する能力が弱いのも問題です。目を離したら10分以内に車に轢かれるのではないかと思います。

ちなみに、危険を恐れないからといって、勇敢かというとそれも全く別の話です。モキチさんは自分が怖いと思ったものに関してはかなり慎重です。

2013年6月15日土曜日

ブログの更新頻度について

なんだかんだで、ほぼ毎日のように更新しています。
こんなペースで続くわけが無いのですが、少なくとも年内は、最低3日おきに更新したいと思っています。そして9月まではこのペースは確実に維持されます。なぜなら、、、既に記事がストックされているからです。

毎日記事を書いているわけではなく、思いついた時に少しずつ書いています。そして一応読めるレベルになったら3日毎に公開をスケジューリングしているんですね。ただ、これだとタイムラグがあるんで、日頃の出来事をこの間に差し込んでいます。また、記事を書いた時点より知識が増えていたり、考え方が変わっていたりするので、公開の前に記事の内容を書き直したりしています。

現時点で、スケジュール済みの記事、下書きの記事、ともに30個くらいあります。この30個の下書きを書き終えれば年末までの記事が完成したことになります。

今はいろいろと学ぶことも多いのでネタも沢山ありますが、段々なくなってくるのだと思います。来年は週に1回出来ればいいかなぁという感じでしょうか。

昔旅行の記事を100本近くブログにアップしたことがあるのですが、後から読んでみると色々と思い出してなかなか楽しいのですよね。単なるABAの理論だと専門書を読めば良いって話になっちゃいますから、こどもの成長の記録と絡めて記事にして行きたいところです。

2013年6月13日木曜日

おかあさん☆おとうさんのための行動科学

この本は特に自閉症を対象にした本ではありません。
行動科学という名前になっていますが、内容としてはABA(応用行動分析)の話です。

ABAは自閉症に対してだけでなく、子育てやビジネス、スポーツ教育などにも有効な手法です。
この本には、子育てをするにあたって、子供を自発的に行動させるための方法が説明されています。

具体的なトピックとしては、こどもの褒め方や叱り方、ポイントカード等を使った手法や、父親を育児に参加させる方法などが取り上げられています。

ABAというと、どうしても難しい理論の話になりがちですが、この本にはそういった堅苦しさは全くありません。ABAについてのはじめの1冊としてオススメです。

2013年6月12日水曜日

お勧めのトレーニング箸

このお箸、超お勧めです。

エジソンのお箸も持っているのですが、こちらのほうが格段に良いです。
理由はいくつかあります。

まず、エジソンのお箸は、指を入れるリングがついているのですが、そこからリングが無い状態に持っていくのが厳しいです。普通の箸とギャップがありすぎるのですよね。
また、開く動作は意外と難しいので、バネ等で跳ね返りがあったほうがはるかに使いやすいのですが、エジソンのお箸にはそういった仕組みはありません。箸の先端の形状は良い気がするのですけどね。

その点、このお箸は3つのステップで、通常のお箸が使えるようにステップアップしていくことができます。スモール・ステップはABAの基本ですね。

また、箸を開く方向に力が掛かっているので、かなり早い段階で、使いこなすことができ、達成感を味わいやすいです。作業療法士が開発に関わっているというのも納得です。

机の上においておいたら、朝箸を見つけて「やるー」といって持ってきたので、その場で握らせてみたら、すぐにまるめたティッシュをつかむことができました。
その後、お皿からお皿に箸でつまんで、何度も移動させて練習していました。

モキチさんは、皿から皿に物を移すのが好きなので、ティッシュで遊ばせましたが、本当は、好きなものを食べさせるのが良いと思います。
あとは忘れずに褒めてあげましょう。

最終的には、パンをちぎっておいておいたら、自分で箸で食べていました、、、まぁ、いいか。

2013年6月10日月曜日

プロンプト

プロンプトとは、弁別刺激に対する補助的な刺激です。
何を言ってるかわからないかと思いますが、わかりやすく言うと、ある状況で適切な行動を起こしやすくするための、手がかり、ヒントのことです。

子供が独力でできない課題に対してはプロンプトを与えてやることが必要です。

プロンプトの種類としては、大きく分けて、刺激プロンプトと反応プロンプトの2つがあります。
たとえば、選択肢に下線を引いておくなど、弁別刺激そのものを変化させるものを刺激プロンプト、他人がヒントを与えてあげるようなものを反応プロンプトと呼びます。

さらに、言葉によるもの、視覚によるもの、位置によるもの、ジェスチャーによるもの、身体的なものなどに分類できます。

前回書いた海苔の例ですと、

海苔を目の前に持ってきてアイコンタクトを取りやすくするのは位置プロンプトの例ですし、ちょーだいと言えるように、なんだっけ?と聞くのは言葉によるプロンプトです。

オモチャなどの遊び方を教える際には、身体的なプロンプトを使うケースが多いですね。
こどもの後ろ側にポジションをとって、手をとって教えてあげるのが良いみたいです。

言葉によるプロンプトは効果的なのですが、自閉症児は言葉によるプロンプトが無いと行動しないというパターンに陥りやすいようなので気をつけましょう。プロンプトは徐々に減らしていく必要があります(プロンプト・フェーディング)。身体的なプロンプトの方が減らしていくことが容易のようです。
(一方で、言葉によるプロンプトで済むなら身体的なプロンプトは用いるべきでないという考え方もあるようです。)

2013年6月9日日曜日

プレ幼稚園 第6話 進歩

その後のプレ幼稚園ですが、結論からいうと何とかなっています。

ただ、部屋を移動する際にみんなとは一緒に移動できず。
廊下からみんなが遊んでいるのを眺めているようです。

次の日は、その前の日より少し近くで見ていたらしいので、進歩はしているのかもしれません。

細かい変化はいろいろとあって

  • 「幼稚園行くよ」というと「せんせー」と言う
  • カバンを自分でもって歩きたがる
  • 下駄箱の靴をとる

といった感じです。
いろいろと刺激は受けているのかなぁと感じます。とりあえず幼稚園自体は嫌いじゃなさそうです。

先日、療育センターから、障害児の受け入れ実績のある幼稚園のリストをもらったのですが、その中にこの幼稚園の名前がありました。家から送っていくのにも便利ですし、綺麗で良い幼稚園だとは思うのですが、どこまで対応できるのかなぁという疑問はあります。受け入れ実績があるというのと、専門性があるというのは別の話なんですね。

一方で、バスで数10分かかる障害児専門の学校も紹介されました。障害児専門のトレーングをつめるということは良いことだとは思うんですが、ちょっと遠いし、正直、”施設”っぽいところに入れることに少し抵抗が無いわけでもありません。

悩ましいところです。
とりあえず、現在の幼稚園でなんとかなるなら、しばらくはそれで良いかなぁという気もしています。

2013年6月7日金曜日

海苔を使った「ちょうだい」のトレーニング

モキチは海苔が好きです。

海苔は、安いですし、ちぎって少しずつ与えられるのでABAのトレーニングに向いています。いくらあげてもお腹一杯にもならないですしね。

海苔を使って、ちょうだいと言えるように練習してみました。
以下のような感じです。

まず、アイコンタクトをとります。
目が合うまで待つのが良いですが、なかなかあわない場合には、海苔を自分の顔の近くに持っていくと合いやすいです。

ちょうだいと言えたら、海苔をちぎってあげて誉めます。
最初は自分からちょうだいと言えないでしょうから、ちょうだいと言って真似させても良いでしょう
一度言える様になったら、自発的にちょうだいと言えるまで待ちます。

子供に言葉を促すためにヒント(プロンプト)を与えるのはなかなか難しいのですが、なんだっけ?って聞いたり、ん?って顔をして子供にちょうだいと言わせましょう。別の家族がその場にいる場合には、ちょうだいと言ってもらってその人に海苔をあげるのも有効です(モデリング)。

ちょっとやっただけですが、笑顔でちょーだいと言えるようになりました。

こういったトレーニングは割りとすぐに効果がでるのですが、重要なのはこれを般化させることなのですよね。自閉症児は般化の能力が弱いので、海苔にたいしてはちょうだいと言えても、それを別の物や別のシチュエーションで応用できないケースがあります。極端な話、「食卓で父親に対してちょうだいというと海苔がもらえる。」という認識をしている可能性があるということです。

日常生活のなかで、いろんなものや、いろんな場所でちょーだいと言えるように日々工夫していきたいと思います。

2013年6月6日木曜日

プレ幼稚園 第5話 教育方針とか

朝、モキチさんを連れて行った際に先生とお話をしてみました。

園としては、どうしてパニックになるのか良く分からないのでもう少し様子を見たいとのこと。多少泣いても放っておいてかまわない的なことを伝えたところ、「それって教育かな?と思うんですよね」 とのこと。

教育方針とか思想とかの話になっちゃうと危険な香りがしたのであまり突っ込んだ議論をするのはやめておきました。

おじいちゃんと一緒の時に中に入らなかったのも、泣いたら嫌なことを回避しておじいちゃんと楽しく遊べるからだと思うんですよねーという話をしたら、「そういうこと分かってるんですかねー」とのコメント。「いや、わかるっしょ、というか、ラットとかハトでも学習するんだから人間様には余裕だと思うんですよねー」

、、、とは言いませんでした。

とりあえず、園の方針が分かったので良しとします。
園としては、泣いちゃうのは何か嫌なことがあるからだから、その原因を理解して取り除いてあげたいとの方針みたいです。

いや、とっても良い話だと思うのですよ。なんつーか優しいのですよね。
その優しさに包まれて、のびのびと育っていけたら良いと思います。

一方で、自閉症児の扱いに関する知識はほぼ皆無という印象を受けました。障害者の受け入れ実績があるらしいのですが、とてもそうは思えない感じです。自傷行為とかに対応できなさそうなので、ケアしておく必要がありそうです。

で、肝心のモキチさんはというと、、、、
最初部屋に入るときにぐずったようですが、女の子が誘ってくれたら遊びモードに切り替わり、結局2時までなんとかなったようですw
そんなもんですよねー

マジ女神。ありがとう。しばらく頼む。

2013年6月5日水曜日

言葉の遅れ

モキチさんは言葉が遅れています。
2歳半の時点で、だいたい1年遅れと言われてしまいました。

物の名前はそれなりのスピードで覚えていくのですけどね。
2語文というほどじゃないですが、

パン、ナイー
イチゴ、ナイー
ジュース、アルー

くらいは言います。
動詞は、飲む、行く、出る あたりでしょうか。
はんたい、うら、イッパイ、おっきい、ちいさい、などの抽象的な言葉も一応理解しているようです。

最近は「トウサン、カイシャ」というのも覚えました。とりあえず父親がいない時に使うことはわかっていそうです。現時点である程度言葉は出ているので、将来的には会話はできるようになりそうな気はしています。

言葉よりも、パニックに対する対応や、社会性を身につけさせることが重要かなぁと思っています。

ちなみに、モキチさんが最初に覚えた単語は、「おいしー」でした。
いつもブツブツ謎の言葉を話していましたし、形容詞から覚えるなんて、言葉を覚えるのが早いに違いない、みたいなことを言われた気がします、、、

最近はなくなりましたが、怒ったときに泣きながら「おいしー」って叫んでました。彼にとっては、「おいしー」が唯一の表現だったんですね。

2013年6月4日火曜日

アイコンタクトのトレーニング

モキチさんは目が合いにくいです。

本人が乗り気の場合は呼べばこっちを見ますが、何回呼んでも振り向かないケースもありますし。自分からこちらの目を見てくることは少ないです。他の子供と会うと、全然違うなぁと思います。

そこで、意識的にアイコンタクトの訓練をしてみることにしました。

訓練と言っても、現時点では、いわゆるDTT(Descrete Trial Training: セラピストと子供が机に向かってガッツリお勉強するスタイルのものです。)ではなく、
声をかけて、目があったらハイタッチをしたり、誉めてあげる、食事の際に目があってからパンをあげる、子供が何かを求めてきた時は目が合うまで無視する、などの日常生活の中での小さなことの積み重ねです。

ポイントは、以下の2点だと思います。

  • うまくできない時は適切なプロンプト(手がかり)を与えること
  • パンなどを与える時は、必ず言葉でも褒めてあげる事

プロンプトとしては、パンなどの好子そのものを、目の近くに持ってくることや、こどもの目線の前に自分が動くことが有効です。できるようになったら徐々に減らして行きましょう。

また、言葉によって褒めてあげる事をセットにしてあげることで、褒めてあげること自体が好子になっていきます。

最近は以前よりも目が合いやすくなってきた気がします。

2013年6月2日日曜日

プレ幼稚園 第4話 入室拒否

朝、幼稚園の下でおじいちゃんにモキチさんを託して帰ってきました。

えー、結論から言いますと、部屋の前で断固入室拒否して、結局部屋に入れず帰ってきたらしい、、、、

ABA的には、
  1. 部屋に入りたくない
  2. パニック泣き
  3. おじいちゃんとドライブしたり、公園で遊ぶ
という見事なまでの、惨敗パターン。
パニックで得るものは無いということを分からせることが重要なんですが、なかなか難しいですね。日頃おじいちゃんに楽しく遊んでもらっているので、幼稚園に行くことよりも、おじいちゃんと外で遊びたくなってしまったのでしょう。

幼稚園でパニックを起こして、おじいちゃんが回収、その後公園で遊ぶというパターンからは抜け出したいところです。

その後、外の公園でしばらく遊んでお昼ごろにもう一度チャレンジしたらしいのですが、またも激しい抵抗にあい、断念したようです。

どうしたものかなぁ。
まずは、園側がどう考えているのかを含め、話をしてみようと思います。

2013年6月1日土曜日

パニックを減らすには 反作用法

ABCのAをコントロールする先行法に対して、C(Consequences:結果)をコントロールするのが反作用法です。

行動を助長することを強化、抑制することを弱化(消去)と呼びます。
ご褒美となるものを、好子、罰となるものを嫌子と呼びます。

ある行動を強化するには、
好子を提示する(正の強化)
もしくは
嫌子を除去(負の強化)
し、

ある行動を弱化するには、
嫌子を提示(正の弱化)
もしくは
好子を除去(負の弱化)
するというのが基本的な考え方です。

パニックが起きた際に、いろんなお菓子をあげてみたり、周りの大人が注目することがよくありますが、いかに不適切な行動であるかが理解できると思います。
パニックを起こすことが、ご褒美(お菓子や注目)によって強化され、ますますパニックを誘発します。

パニックに対する基本的な対処法としては、

  • 無視をすること(これまで提示されていた好子を除去することにより行動を減らすことを消去と呼びます)
  • 落ち着いたら好きなものを渡してやるなり、やさしい言葉をかけること(他行動の分化強化)

の2点が重要です。
ちなみに、無視をするというのは完全に放置するという意味ではなく、特に目立ったアクションをおこさず、子供の様子を見守るということですので注意してください。
その他、パニックを起こしたら体罰(嫌子の提示)を与えればパニックは減りますが、当然、お勧めできません。

個人的に非常に面白いと思ったのは、子供の行動だけではなく、親の行動にもABAは適用できるということです。

子供がパニックを起こした際に、お菓子をあげて静かになったとすると、親はお菓子をあげることによって、子供が静かになるというご褒美を得たことになります。このことにより、パニックに対してお菓子を与えるという行動が強化されます。完全に悪循環ですね。

ABAの基本的な枠組みを理解することで、パニックに対して冷静に対処できるようになるはずです。暴れている子供を放置するのは気が引けるかもしれませんが、最低限の安全を確保して一貫性のある対応を心がけましょう。

さて、次回はプレ幼稚園の話の続きです。

2013年5月31日金曜日

自閉症感覚

この世界では有名なテンプル・グランディンという人の書いた本です。
彼女は、アメリカの動物学者で、高機能自閉症です。

自閉症の人がどのように物事を捉えているか、何に苦労して、どのように成功を収めたのかなどが、当事者の立場からの記述されてえおり、非常に興味深いです。

ただ、内容をすべて好意的に受け入れるかというと、正直微妙かなと思います。全体的に、「自分はこう思う」というあまり根拠の無い意見が述べられているに過ぎないという印象を受けました。サプリメント療法などの効果のはっきりしないものについても、いろいろと試して自分にあったものを見つけろと書いてあります。

あまりに特殊なケースすぎて個別のアドバイスについては参考程度にしておくのが良いかなぁという気がします。自閉症でもこれだけ成功を収められるんだという希望を持てるのは良いのですけどね。自閉症の人がどんな感覚なのか、何考えてるのか知りたいという、興味本位で読む分には面白いです。

ちなみに、TEDでも講演しています。お時間のある方は動画を見てみてください。

2013年5月30日木曜日

プレ幼稚園 第3話 おじいちゃん投入

おじいちゃん投入。

プレ幼稚園の様子が分からないことと、モキチさんが場所に慣れるようにと、おじいちゃんを付き添わせてみるということになりました。
母親がいると他の子供が母親を思い出しちゃうので駄目だけど、おじいちゃんならいいらしい。ホントか?

そもそも、他の子供とも関わったほうが良いと思って、プレに入れているので、(ぶっちゃけ、親がその間、開放されたいというのももちろんあります。)おじいちゃんと遊んでるだけにならないかちょっと心配です。

根本的な問題は、園側がモキチさんに対応できていないことだと思っています。

こちらはモキチさんのことは伝えてありますし、向こう側もそれに対して特に問題ないという感じだったので期待していたのですが、単に何も考えていなかっただけだったという気もしてきました。
もし、場所に慣れて一人で過ごせるようになっても今後必ず問題が出てくる気がしています。

園側を批判しているわけではなく、お互いに認識が甘かったということだと思います。

腹が減って泣かないように、朝食はしっかり食べさせました。
さて、おじいちゃん投入の成果はいかに?

2013年5月29日水曜日

はんたい!

モキチさん、反対という概念を理解しているようです。

電車のオモチャで磁石で連結できるものがあるのですが、反対だと反発して付かないので、「はんたい!」と言いながら自分で向きを変えています。

また、小さなお絵かきボードに絵を書いてあげるのですが、ボードを逆さにして、「はんたい!」と言ってます。

たまに何故か、「はんたいや!」と関西弁ぽくなってるのがウケます。
その他には、裏、いっしょ、いっぱい、くらいは分かるようです。名詞しか覚えてなかったころからすると、進歩したなあと思います。

2013年5月28日火曜日

先行条件を判断することの難しさ

今日読んでた、テンプル・グランディンの本に空腹時には忍耐力が下がるとかいてあったなぁ。
先日、モキチさんが幼稚園で30分しか持たずにギャン泣きしてたのは、単に腹が減っていたという可能性は無いのだろうか。

朝食をしっかりとるということは実は非常に重要なことなのかもしれません。

ABC分析をする際に、A(先行条件)が何かを正しく判断するのが難しいですね。
特に自閉症児の感覚は通常の人とは違うことが多いようなので、些細な音や、感触などがパニックの原因になっているケースがあります。
確実なのは本人に聞いてみることなんでしょうが、、、

ちなみに、モキチさんは耳を塞いだりはしませんし、そんなに聴覚過敏な感じではないのですが、飛行機とか救急車の音には妙に反応します。

聴覚過敏を伴う自閉症児がどのような世界に生きているかを体験できるゲームがあります。動画があるので見てみたのですが、妙に納得できるなぁ、、、、

2013年5月27日月曜日

プレ幼稚園 第2話 お迎えの電話

以前書いたプレ幼稚園のお話の続きです。

先日は、9時に送っていったのに9時半に電話がかかってきました、、、
戻すくらいの勢いで泣いたらしい。モキチさん、実は今まで泣いて戻したこと無いんだけどなぁ。演技派です。

この感じだと確実に、
嫌な状況→泣く→お迎え
という認識のもとに、パニック泣きが強化されていそうです。

同時に、園側にとっても、
モキチさんパニック→親に電話する→平和になる
ということで、電話をするということが強化されていると言えそうです。

そもそも、泣いたらお迎えってシステムでも無いはずなので、ちょっと話し合いが必要そうです。

あとは、いきなり、9時-14時というのはハードルが高いのかもしれません。
スモールステップもABAの基本ですので、まずは2時間とか設定したほうがいいのかもしれません。モキチさんにとっても園にとっても。

まぁ、泣いてもわめいても放っておいてくださいってのもありだと思いますけどね。
他の子供さんもいるしなかなか難しいのかなぁ。

2013年5月26日日曜日

パニックを減らすには 先行法

さて、具体的にパニックを減らす方法について考えてみたいと思います。

先行法とは、ABCのA(Antecedent:先行条件)をコントロールすることで、そもそものパニックの原因を減らしていこうという考え方です。

たとえば、スケジュールをあらかじめ提示するであるとか、自閉症児に分かりやすい形に部屋を整理(構造化)するといったことが考えられます。いわゆるTEACCH的な考え方と言う事もできますね。

いずれにせよ、まずそもそもAが何なのかをきちんと分析することが必要です。
ぎゃんぎゃん泣くのが場所が気に入らないのかと思っていても、実はお腹が空いていただけだったらそもそもの前提が間違っています。

不適切な行動をとっていないときに褒めてあげることも基本的なテクニックのひとつです。ちなみに、これを「他行動の分化強化(DRO: Differential Reinforcement of Other behavior)」と言います。子育てをしているとどうしても、普通の行動をしてることはいちいち褒めずに、悪いことをした時に叱るというパターンに陥りがちです。普通のことができていることをちゃんと褒めてあげましょう。

また、適切な意思表示の仕方を教えてあげることも重要です、泣き叫ぶのではなく、言葉で伝えることによって同じ結果が得られればパニックも少なくなるでしょう。代替行動を指導、強化することを代替行動の分化強化(DRA: Differential Reinforcement of Alternative behavior)と呼びます。

DRO、DRAと似たような用語として、DRH,DRL,DRIといったものがあります。この辺もそのうち紹介したいと思います。

2013年5月25日土曜日

療育センター

モキチさん、週に1回、市の療育センターの療育に通うことになりました。
とりあえずどんなもんかなと、初回は一緒に参加してきました。

時間は2時間半ほどで、内容的には、歌や体操、遊具を使った遊びが中心のいわゆる感覚統合療法的なプログラムになっていました。スケジュールがカードで掲示されていたり、トイレに行く際にカードを持っていくなどTEACCH的な思想も随所に感じられました。

また、次のプログラムに移る場合には、5分前くらいに通知されるなど、切り替えの苦手な自閉症児に対する気遣いもあり、モキチさんにとっては悪くない環境です。

他のお子さんが乗ったワゴンを押してあげたり、一緒にトランポリンをしたりと、多少のからみもあってプレ幼稚園的な位置づけとしては悪くないかなと思いました。食事も座ってちゃんと食べれました。

一方で、週に1度のこの療育だけで十分なのかなぁという疑問もあります。
スタッフは親切ですし、グループ的な療育としては悪くないとは思いますが、もう少し積極的に教え込む要素もあってもいいんじゃないかと。療育のプログラムとしてABAをどのように組み込むのか検討してみたいと思います。

ちなみに、モキチさんみたいな子供たちがたくさんいるんだろうなぁと思ってある意味ちょっと楽しみにしていたのですが、切り替えの困難さや言葉の遅さはみなさん多少感じられるものの、ぐるぐる走り回ったり怒って親を叩いたり頭突きしているような子供はモキチさんだけでした、、、

2013年5月24日金曜日

ABC分析とパニックの強化

さて、ABAでは、ABC機能分析という手法を用いて分析を行います。
ABCはそれぞれ、
  • Antecedent (先行条件)
  • Bahavior (行動)
  • Consequences (結果)
の頭文字をとったものです。つまり、A:どんな状況で、B:何をして、C:どうなったかを分析してみるということですね。

以前お話した、幼稚園でのパニックの例で考えてみましょう。

A:自分の嫌いな場所に移動することになった
B:パニックを起こす
C:お迎えが来る

となります。ABAでは、行動はご褒美(強化子、もしくは好子と呼びます)によって強化されるという考え方をとります。もし、このままパニックが増えていったとすると、「お迎え」というご褒美によって、パニックが強化されているということになります。

そもそものパニックの原因(A)を取り除くのも重要ですが、
パニックの頻度が高くなっている場合には、ABC分析を行って、パニックによって子供が何を得たのかを確認してみる必要があるでしょう。

次回は具体的なパニックの減らし方について考えてみたいと思います。

2013年5月22日水曜日

ABA(Applied Behavior Analysis)とは

以前に書いたABA(Applied Behavior Analysis)について。

ABAは、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らしていくための手法です。
日本語では応用行動分析と呼んでいます。

ものすごく簡単に言うと、望ましい行動にはご褒美をあげて、望ましくない行動については、ご褒美をあげないことで、適切な行動にコントロールしていきます。(それ以外にもいろいろなテクニックがあります。)

自閉症児の療育方法として効果を上げていますが、定型児についても有用な考え方ですので、子育てを行うにあたっては必須の知識だと思います。自分がABAを知ったのは、子供に自閉症の疑いが出てきていろいろと調べるようになってからでしたが、もっと早く知っておけばよかったと思っています。

これから数回に分けてABAの基本的な考え方について書いていきたいと思います。

2013年5月20日月曜日

トイレ

今日はちょっと汚い話です。お食事中の方はごめんなさい。

最近、ウ○チが出た時に、「ウンチンデター」と言うようになりました。

そしてトイレに向かうようになりました。トイレの中で、おとなしくオムツを交換され、トイレを流すのを見届け、バイバイします。

まだまだレベルは低いですが、一昔前と比べると格段の進歩です。
成長を感じられるのは良いことですね。

ちなみに、モキチさんは、ウ○チをするときに髪が逆立つというか、浮き上がります。ヘルメットをかぶっている状態に。
また、力むせいか、目の周りが赤くなります。そして、微妙にしゃくれる、、、
何かに変身しそうです。

2013年5月19日日曜日

自閉症のすべてがわかる本


自閉症について最初に読むオススメの1冊を紹介したいと思います。

この世界?では有名な佐々木氏の著作。
すべてがわかるってのは言い過ぎだと思いますが、自閉症とは何なのか、どういったプロセスで親が気づき、対応していくか等ひと通りのことが網羅されており、かつイラストを多用して非常に読みやすくまとまっています。

内容は以下のとおりです。

  • 自閉症はしつけや性格のせいではない。脳の機能障害が原因
  • 自閉症の子どもは言葉や感情表現を身につけるのが苦手
  • 療育の中心はTEACCHプログラム
  • TEACCHで生活習慣を体で覚え、社会的スキルを身につける
  • 家庭では視覚で理解しやすい環境づくりを
  • 音楽や絵で遊ぶことにも意義がある
  • 言葉よりコミュニケーションを身につける

項目を見れば一目瞭然なのですが、著者の佐々木氏は日本におけるTEACCHの第一人者ですので、当然TEACCH的な立ち位置からの内容になることは頭の片隅に入れておいても良いと思います。(TEACCHについてはそのうち記事にします。)

これはこの本を読む場合だけに限らない話だとは思いますが、療育についてはいろんな考え方があり、どれが正しいとも言えないので、自分に有用な部分だけを汲み取ることが重要と言えるでしょう。(正解はないと思いますが、例えば食事療法とか、キレート療法とか、不正解と言って良いものも沢山あるので、引っかからないようにしましょう。)

あと、佐々木正美って女性かと勝手に思ってましたw

自閉症のお子さんを持つ親だけでなく、祖父や祖母、周りの親戚や友人など、関わりのある人に読んでもらえるはじめの1冊としてオススメです。


2013年5月18日土曜日

プレ幼稚園

モキチは先週あたりから週2回プレ幼稚園に通っています。
時間は9時から14時まで。
けっこう長い。

初日はお昼に号泣したらしくお迎え。

2日目は、朝別れるときは不安そうでしたが、2時まで持ちました。
なんとかなるもんですね。
その後帰りたくなくてちょっとパニックになっちゃったみたいですが、、、

3日目は、再び電話が掛かってきてしまいました。
どうも、場所を移動したりするのが苦手っぽい。

幼稚園側には、パニックになることや、普通の子とは違う行動をとることなどを伝えてありますが、特に専門家がいる幼稚園ではないので、どう対応してもらうかはなかなか難しいところですね。

モキチさんがパニックになればお迎えが来るという認識をしていないかちょっと心配です。
ABA的に言えば「パニックが強化されている」ということになります。

ABAについては別途記事にしていきたいと思います。

ブログの更新方針としては、ABAなどの療育に関することや本のレビューを中心に、普段の出来事をちょいちょい挟んでいく形で行きたいと思っています。

2013年5月16日木曜日

はじめに

まず初めに、このブログを開始したきっかけを書いておきたいと思います。

うちのモキチは2歳7ヶ月の時点で、広汎性発達障害と診断されたわけですが、そこに至るにあたっては、単にみんなよりちょっと遅れているだけでそのうち追いつくんじゃね?とか、育て方が悪いのかなぁとか、気性が荒い子供だなぁとか、あれ、ひょっとして自閉症じゃね?とか、いろいろな段階があったわけです。

当然いろんな不安があったりしたわけですが、そんな中、自分が比較的スムーズに診断結果を受け入れられたのは、同じ悩みを持つ人達のブログ等を読んでいたからということがあると思います。障害に対する正しい知識を得られるだけではなく、ゆっくりながらも成長しているお子さんの様子を読むことによって前向きな気持になれました。

うちの子も定型のこどもと比べるといろいろと遅れているわけですが、それでも半年前と比べればいろんなことができるようになっているんですよね。療育の先生にも他の子どもと比べないで半年前と比べろと言われたので、日々の出来事を記録しておいたほうが良いかなぁと思ったわけです。

また、自閉症の子供達に対する療育の手法としては、PECSとかABAとかいろんなものがあるのですが、これらに関して勉強してみると、療育だけじゃなくて、一般的な子育てにも有効な知識が沢山あると感じました。特にABAなんかは子育てをする上でみんなが知っておくべきことなんじゃないかと思います。

今までも、人間って何千年も生きているのにその間に蓄積された子育てのベスト・プラクティスっていまひとつ共有されていないよなぁと感じていたのですよね。

そんなわけで、このブログでは、
  • こどものちょっとした成長の記録
  • 自閉症や発達障害に関する知識
  • TEACCH、ABAやPECSといった手法/理論に関する勉強とメモ
  • 読んだ本のレビュー
  • 実際の生活の中で苦労したことや、うまくいったこと
などを中心に投稿していきたいと思います。