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2013年6月1日土曜日

パニックを減らすには 反作用法

ABCのAをコントロールする先行法に対して、C(Consequences:結果)をコントロールするのが反作用法です。

行動を助長することを強化、抑制することを弱化(消去)と呼びます。
ご褒美となるものを、好子、罰となるものを嫌子と呼びます。

ある行動を強化するには、
好子を提示する(正の強化)
もしくは
嫌子を除去(負の強化)
し、

ある行動を弱化するには、
嫌子を提示(正の弱化)
もしくは
好子を除去(負の弱化)
するというのが基本的な考え方です。

パニックが起きた際に、いろんなお菓子をあげてみたり、周りの大人が注目することがよくありますが、いかに不適切な行動であるかが理解できると思います。
パニックを起こすことが、ご褒美(お菓子や注目)によって強化され、ますますパニックを誘発します。

パニックに対する基本的な対処法としては、

  • 無視をすること(これまで提示されていた好子を除去することにより行動を減らすことを消去と呼びます)
  • 落ち着いたら好きなものを渡してやるなり、やさしい言葉をかけること(他行動の分化強化)

の2点が重要です。
ちなみに、無視をするというのは完全に放置するという意味ではなく、特に目立ったアクションをおこさず、子供の様子を見守るということですので注意してください。
その他、パニックを起こしたら体罰(嫌子の提示)を与えればパニックは減りますが、当然、お勧めできません。

個人的に非常に面白いと思ったのは、子供の行動だけではなく、親の行動にもABAは適用できるということです。

子供がパニックを起こした際に、お菓子をあげて静かになったとすると、親はお菓子をあげることによって、子供が静かになるというご褒美を得たことになります。このことにより、パニックに対してお菓子を与えるという行動が強化されます。完全に悪循環ですね。

ABAの基本的な枠組みを理解することで、パニックに対して冷静に対処できるようになるはずです。暴れている子供を放置するのは気が引けるかもしれませんが、最低限の安全を確保して一貫性のある対応を心がけましょう。

さて、次回はプレ幼稚園の話の続きです。

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