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2013年10月11日金曜日

「消去」の難しさ

不適切な行動への対策方法としては、「消去」と、「分化強化」が基本であることは何度も述べてきましたた。ですが、この「消去」は簡単なように思えて、実はなかなか難しかったりします。

特に気をつけなくては行けないのは、自分で消去しているつもりでも、何気ない行動で強化してしまっているケースがあることです。

例えば、モキチさんは良く大声で叫びます。普通の子供が日常生活では出すことのないレベルの大声なので、初めての人は何事かとびっくりすると思います。

大声を出す理由としては、テンションが上がって、自己刺激的に叫ぶ、大声を出すことでこちらの注意を引きたいという2つの側面があると思われます。

対応としては、

  • 大声に対して、過度に反応せず、無視する(消去)
  • 大声を出していない時に褒めてあげる(他行動の分化強化)
  • 小さな声で喜んだ時に、褒めてあげたり、反応してあげる(代替行動の分化強化)
  • 何か集中できる他の課題を与える

といった方法が考えられます。このケースで消去が難しいのは、大声を出されるとどうしてもモキチさんのことを見てしまうことです。目が合うと、大抵こちらを見て笑っているんですね。大きな音に反応するというのは、条件反射みたいなものですから、なかなか抑えることができませんし、音に対しては即時に反応してしまいます。注目を浴びたい側にとってコレほど良い方法は無いんですね。

消去をしているつもりでも、行動が減らない場合には、視線の移動等の、自分でも意識していない行動が強化子として働いていないか検討してみましょう。

この場合の対応ですが、

  • 悟りを開いて叫び声に反応しないようになる
  • 一度目を合わせてしまっても、気づかないふりをして、叫ぶのが終わってから対応してあげる
  • 部屋を出て行ってしまう

などが考えられます。ちらっと見てしまっても、やられたと顔に出してはいけません。叫んでいるのが聞こえないように振る舞うのがポイントだと思います。

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