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2013年5月31日金曜日

自閉症感覚

この世界では有名なテンプル・グランディンという人の書いた本です。
彼女は、アメリカの動物学者で、高機能自閉症です。

自閉症の人がどのように物事を捉えているか、何に苦労して、どのように成功を収めたのかなどが、当事者の立場からの記述されてえおり、非常に興味深いです。

ただ、内容をすべて好意的に受け入れるかというと、正直微妙かなと思います。全体的に、「自分はこう思う」というあまり根拠の無い意見が述べられているに過ぎないという印象を受けました。サプリメント療法などの効果のはっきりしないものについても、いろいろと試して自分にあったものを見つけろと書いてあります。

あまりに特殊なケースすぎて個別のアドバイスについては参考程度にしておくのが良いかなぁという気がします。自閉症でもこれだけ成功を収められるんだという希望を持てるのは良いのですけどね。自閉症の人がどんな感覚なのか、何考えてるのか知りたいという、興味本位で読む分には面白いです。

ちなみに、TEDでも講演しています。お時間のある方は動画を見てみてください。

2013年5月30日木曜日

プレ幼稚園 第3話 おじいちゃん投入

おじいちゃん投入。

プレ幼稚園の様子が分からないことと、モキチさんが場所に慣れるようにと、おじいちゃんを付き添わせてみるということになりました。
母親がいると他の子供が母親を思い出しちゃうので駄目だけど、おじいちゃんならいいらしい。ホントか?

そもそも、他の子供とも関わったほうが良いと思って、プレに入れているので、(ぶっちゃけ、親がその間、開放されたいというのももちろんあります。)おじいちゃんと遊んでるだけにならないかちょっと心配です。

根本的な問題は、園側がモキチさんに対応できていないことだと思っています。

こちらはモキチさんのことは伝えてありますし、向こう側もそれに対して特に問題ないという感じだったので期待していたのですが、単に何も考えていなかっただけだったという気もしてきました。
もし、場所に慣れて一人で過ごせるようになっても今後必ず問題が出てくる気がしています。

園側を批判しているわけではなく、お互いに認識が甘かったということだと思います。

腹が減って泣かないように、朝食はしっかり食べさせました。
さて、おじいちゃん投入の成果はいかに?

2013年5月29日水曜日

はんたい!

モキチさん、反対という概念を理解しているようです。

電車のオモチャで磁石で連結できるものがあるのですが、反対だと反発して付かないので、「はんたい!」と言いながら自分で向きを変えています。

また、小さなお絵かきボードに絵を書いてあげるのですが、ボードを逆さにして、「はんたい!」と言ってます。

たまに何故か、「はんたいや!」と関西弁ぽくなってるのがウケます。
その他には、裏、いっしょ、いっぱい、くらいは分かるようです。名詞しか覚えてなかったころからすると、進歩したなあと思います。

2013年5月28日火曜日

先行条件を判断することの難しさ

今日読んでた、テンプル・グランディンの本に空腹時には忍耐力が下がるとかいてあったなぁ。
先日、モキチさんが幼稚園で30分しか持たずにギャン泣きしてたのは、単に腹が減っていたという可能性は無いのだろうか。

朝食をしっかりとるということは実は非常に重要なことなのかもしれません。

ABC分析をする際に、A(先行条件)が何かを正しく判断するのが難しいですね。
特に自閉症児の感覚は通常の人とは違うことが多いようなので、些細な音や、感触などがパニックの原因になっているケースがあります。
確実なのは本人に聞いてみることなんでしょうが、、、

ちなみに、モキチさんは耳を塞いだりはしませんし、そんなに聴覚過敏な感じではないのですが、飛行機とか救急車の音には妙に反応します。

聴覚過敏を伴う自閉症児がどのような世界に生きているかを体験できるゲームがあります。動画があるので見てみたのですが、妙に納得できるなぁ、、、、

2013年5月27日月曜日

プレ幼稚園 第2話 お迎えの電話

以前書いたプレ幼稚園のお話の続きです。

先日は、9時に送っていったのに9時半に電話がかかってきました、、、
戻すくらいの勢いで泣いたらしい。モキチさん、実は今まで泣いて戻したこと無いんだけどなぁ。演技派です。

この感じだと確実に、
嫌な状況→泣く→お迎え
という認識のもとに、パニック泣きが強化されていそうです。

同時に、園側にとっても、
モキチさんパニック→親に電話する→平和になる
ということで、電話をするということが強化されていると言えそうです。

そもそも、泣いたらお迎えってシステムでも無いはずなので、ちょっと話し合いが必要そうです。

あとは、いきなり、9時-14時というのはハードルが高いのかもしれません。
スモールステップもABAの基本ですので、まずは2時間とか設定したほうがいいのかもしれません。モキチさんにとっても園にとっても。

まぁ、泣いてもわめいても放っておいてくださいってのもありだと思いますけどね。
他の子供さんもいるしなかなか難しいのかなぁ。

2013年5月26日日曜日

パニックを減らすには 先行法

さて、具体的にパニックを減らす方法について考えてみたいと思います。

先行法とは、ABCのA(Antecedent:先行条件)をコントロールすることで、そもそものパニックの原因を減らしていこうという考え方です。

たとえば、スケジュールをあらかじめ提示するであるとか、自閉症児に分かりやすい形に部屋を整理(構造化)するといったことが考えられます。いわゆるTEACCH的な考え方と言う事もできますね。

いずれにせよ、まずそもそもAが何なのかをきちんと分析することが必要です。
ぎゃんぎゃん泣くのが場所が気に入らないのかと思っていても、実はお腹が空いていただけだったらそもそもの前提が間違っています。

不適切な行動をとっていないときに褒めてあげることも基本的なテクニックのひとつです。ちなみに、これを「他行動の分化強化(DRO: Differential Reinforcement of Other behavior)」と言います。子育てをしているとどうしても、普通の行動をしてることはいちいち褒めずに、悪いことをした時に叱るというパターンに陥りがちです。普通のことができていることをちゃんと褒めてあげましょう。

また、適切な意思表示の仕方を教えてあげることも重要です、泣き叫ぶのではなく、言葉で伝えることによって同じ結果が得られればパニックも少なくなるでしょう。代替行動を指導、強化することを代替行動の分化強化(DRA: Differential Reinforcement of Alternative behavior)と呼びます。

DRO、DRAと似たような用語として、DRH,DRL,DRIといったものがあります。この辺もそのうち紹介したいと思います。

2013年5月25日土曜日

療育センター

モキチさん、週に1回、市の療育センターの療育に通うことになりました。
とりあえずどんなもんかなと、初回は一緒に参加してきました。

時間は2時間半ほどで、内容的には、歌や体操、遊具を使った遊びが中心のいわゆる感覚統合療法的なプログラムになっていました。スケジュールがカードで掲示されていたり、トイレに行く際にカードを持っていくなどTEACCH的な思想も随所に感じられました。

また、次のプログラムに移る場合には、5分前くらいに通知されるなど、切り替えの苦手な自閉症児に対する気遣いもあり、モキチさんにとっては悪くない環境です。

他のお子さんが乗ったワゴンを押してあげたり、一緒にトランポリンをしたりと、多少のからみもあってプレ幼稚園的な位置づけとしては悪くないかなと思いました。食事も座ってちゃんと食べれました。

一方で、週に1度のこの療育だけで十分なのかなぁという疑問もあります。
スタッフは親切ですし、グループ的な療育としては悪くないとは思いますが、もう少し積極的に教え込む要素もあってもいいんじゃないかと。療育のプログラムとしてABAをどのように組み込むのか検討してみたいと思います。

ちなみに、モキチさんみたいな子供たちがたくさんいるんだろうなぁと思ってある意味ちょっと楽しみにしていたのですが、切り替えの困難さや言葉の遅さはみなさん多少感じられるものの、ぐるぐる走り回ったり怒って親を叩いたり頭突きしているような子供はモキチさんだけでした、、、

2013年5月24日金曜日

ABC分析とパニックの強化

さて、ABAでは、ABC機能分析という手法を用いて分析を行います。
ABCはそれぞれ、
  • Antecedent (先行条件)
  • Bahavior (行動)
  • Consequences (結果)
の頭文字をとったものです。つまり、A:どんな状況で、B:何をして、C:どうなったかを分析してみるということですね。

以前お話した、幼稚園でのパニックの例で考えてみましょう。

A:自分の嫌いな場所に移動することになった
B:パニックを起こす
C:お迎えが来る

となります。ABAでは、行動はご褒美(強化子、もしくは好子と呼びます)によって強化されるという考え方をとります。もし、このままパニックが増えていったとすると、「お迎え」というご褒美によって、パニックが強化されているということになります。

そもそものパニックの原因(A)を取り除くのも重要ですが、
パニックの頻度が高くなっている場合には、ABC分析を行って、パニックによって子供が何を得たのかを確認してみる必要があるでしょう。

次回は具体的なパニックの減らし方について考えてみたいと思います。

2013年5月22日水曜日

ABA(Applied Behavior Analysis)とは

以前に書いたABA(Applied Behavior Analysis)について。

ABAは、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らしていくための手法です。
日本語では応用行動分析と呼んでいます。

ものすごく簡単に言うと、望ましい行動にはご褒美をあげて、望ましくない行動については、ご褒美をあげないことで、適切な行動にコントロールしていきます。(それ以外にもいろいろなテクニックがあります。)

自閉症児の療育方法として効果を上げていますが、定型児についても有用な考え方ですので、子育てを行うにあたっては必須の知識だと思います。自分がABAを知ったのは、子供に自閉症の疑いが出てきていろいろと調べるようになってからでしたが、もっと早く知っておけばよかったと思っています。

これから数回に分けてABAの基本的な考え方について書いていきたいと思います。

2013年5月20日月曜日

トイレ

今日はちょっと汚い話です。お食事中の方はごめんなさい。

最近、ウ○チが出た時に、「ウンチンデター」と言うようになりました。

そしてトイレに向かうようになりました。トイレの中で、おとなしくオムツを交換され、トイレを流すのを見届け、バイバイします。

まだまだレベルは低いですが、一昔前と比べると格段の進歩です。
成長を感じられるのは良いことですね。

ちなみに、モキチさんは、ウ○チをするときに髪が逆立つというか、浮き上がります。ヘルメットをかぶっている状態に。
また、力むせいか、目の周りが赤くなります。そして、微妙にしゃくれる、、、
何かに変身しそうです。

2013年5月19日日曜日

自閉症のすべてがわかる本


自閉症について最初に読むオススメの1冊を紹介したいと思います。

この世界?では有名な佐々木氏の著作。
すべてがわかるってのは言い過ぎだと思いますが、自閉症とは何なのか、どういったプロセスで親が気づき、対応していくか等ひと通りのことが網羅されており、かつイラストを多用して非常に読みやすくまとまっています。

内容は以下のとおりです。

  • 自閉症はしつけや性格のせいではない。脳の機能障害が原因
  • 自閉症の子どもは言葉や感情表現を身につけるのが苦手
  • 療育の中心はTEACCHプログラム
  • TEACCHで生活習慣を体で覚え、社会的スキルを身につける
  • 家庭では視覚で理解しやすい環境づくりを
  • 音楽や絵で遊ぶことにも意義がある
  • 言葉よりコミュニケーションを身につける

項目を見れば一目瞭然なのですが、著者の佐々木氏は日本におけるTEACCHの第一人者ですので、当然TEACCH的な立ち位置からの内容になることは頭の片隅に入れておいても良いと思います。(TEACCHについてはそのうち記事にします。)

これはこの本を読む場合だけに限らない話だとは思いますが、療育についてはいろんな考え方があり、どれが正しいとも言えないので、自分に有用な部分だけを汲み取ることが重要と言えるでしょう。(正解はないと思いますが、例えば食事療法とか、キレート療法とか、不正解と言って良いものも沢山あるので、引っかからないようにしましょう。)

あと、佐々木正美って女性かと勝手に思ってましたw

自閉症のお子さんを持つ親だけでなく、祖父や祖母、周りの親戚や友人など、関わりのある人に読んでもらえるはじめの1冊としてオススメです。


2013年5月18日土曜日

プレ幼稚園

モキチは先週あたりから週2回プレ幼稚園に通っています。
時間は9時から14時まで。
けっこう長い。

初日はお昼に号泣したらしくお迎え。

2日目は、朝別れるときは不安そうでしたが、2時まで持ちました。
なんとかなるもんですね。
その後帰りたくなくてちょっとパニックになっちゃったみたいですが、、、

3日目は、再び電話が掛かってきてしまいました。
どうも、場所を移動したりするのが苦手っぽい。

幼稚園側には、パニックになることや、普通の子とは違う行動をとることなどを伝えてありますが、特に専門家がいる幼稚園ではないので、どう対応してもらうかはなかなか難しいところですね。

モキチさんがパニックになればお迎えが来るという認識をしていないかちょっと心配です。
ABA的に言えば「パニックが強化されている」ということになります。

ABAについては別途記事にしていきたいと思います。

ブログの更新方針としては、ABAなどの療育に関することや本のレビューを中心に、普段の出来事をちょいちょい挟んでいく形で行きたいと思っています。

2013年5月16日木曜日

はじめに

まず初めに、このブログを開始したきっかけを書いておきたいと思います。

うちのモキチは2歳7ヶ月の時点で、広汎性発達障害と診断されたわけですが、そこに至るにあたっては、単にみんなよりちょっと遅れているだけでそのうち追いつくんじゃね?とか、育て方が悪いのかなぁとか、気性が荒い子供だなぁとか、あれ、ひょっとして自閉症じゃね?とか、いろいろな段階があったわけです。

当然いろんな不安があったりしたわけですが、そんな中、自分が比較的スムーズに診断結果を受け入れられたのは、同じ悩みを持つ人達のブログ等を読んでいたからということがあると思います。障害に対する正しい知識を得られるだけではなく、ゆっくりながらも成長しているお子さんの様子を読むことによって前向きな気持になれました。

うちの子も定型のこどもと比べるといろいろと遅れているわけですが、それでも半年前と比べればいろんなことができるようになっているんですよね。療育の先生にも他の子どもと比べないで半年前と比べろと言われたので、日々の出来事を記録しておいたほうが良いかなぁと思ったわけです。

また、自閉症の子供達に対する療育の手法としては、PECSとかABAとかいろんなものがあるのですが、これらに関して勉強してみると、療育だけじゃなくて、一般的な子育てにも有効な知識が沢山あると感じました。特にABAなんかは子育てをする上でみんなが知っておくべきことなんじゃないかと思います。

今までも、人間って何千年も生きているのにその間に蓄積された子育てのベスト・プラクティスっていまひとつ共有されていないよなぁと感じていたのですよね。

そんなわけで、このブログでは、
  • こどものちょっとした成長の記録
  • 自閉症や発達障害に関する知識
  • TEACCH、ABAやPECSといった手法/理論に関する勉強とメモ
  • 読んだ本のレビュー
  • 実際の生活の中で苦労したことや、うまくいったこと
などを中心に投稿していきたいと思います。